食物連鎖を介したトゲクリガニの毒化現象
加工流通部

研究の背景・目的
  1. 麻痺性有毒プランクトンの捕食による二枚貝類の毒化被害は、拡大する傾向にある。  
  2. 二枚貝類を捕食する肉食性のカニ類について、麻痺性貝毒成分の蓄積は調べられておらず、沿岸域における食用対象種については安全性確保のため調べることが必要である。
麻痺性貝毒成分の移行?
食物連鎖

研究成果
  1. 餌料生物である二枚貝類から規制値(4.0 MU/g)以上の毒性が検出された時期に、トゲクリガニを採取し、肝膵臓部から最大80 MU/g の毒性を検出した。
  2. 付属肢の筋肉には毒性が検出されなかった。
福島県小名浜で採取した魚介類のマウス毒性

試料名分析部位毒性値(MU/g)

トゲクリガニ(1)内臓部80.0

トゲクリガニ(2)*内臓部30.0

キタムラサキウニ可食部全体-

マボヤ可食部全体-

ムラサキイガイ可食部全体9.6

マガキ可食部全体<1.0

アズマニシキ可食部全体10.2

*2個体を1試料とした
トゲクリガニ(Telmessus acutidens)
波及効果
  1. 有毒プランクトンの1次捕食者である二枚貝だけではなく、上位の捕食者であるカニ類への麻痺性貝毒成分の広がりを示した。
  2. 今後の飼育実験で毒成分の蓄積や排出過程を定量的に調べることで、安全な魚介類の流通に貢献できる。

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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