黒潮外側域の表層海洋構造の季節変化
海洋生産部

研究の背景・目的
  1. 本州南方黒潮域はサンマやマイワシ等の小型浮魚類の産卵場、稚仔の成育場である
  2. 黒潮域の海洋環境が餌環境を通じて小型浮魚類の資源変動に与える影響を評価するため、海洋環境の変動特性を明らかにする必要がある。
  3. このため、黒潮域において1999年からこれまでに実施された御前崎沖の定線観測結果を進め、海洋構造の季節変動の特徴を明らかにする。
研究成果
  1. 御前崎沖の東経138度線で実施された水温・塩分の海洋物理観測結果を簡単に閲覧可能なフォーマットでデータベース化した。
  2. このデータの解析から、黒潮外側域では、春季から夏季において表層混合層直下に水温19℃、塩分34.8psuのほぼ均質な等温層を伴う亜熱帯モード水が出現すること、そしてこの構造は表層混合層の発達する秋季~冬季には見えなくなる季節変化を示すことを明らかにした。(図)
  3. 亜熱帯モード水の水温値から、この水塊は本州南方の冬季混合層で形成されたものと推察された。
波及効果
  1. 亜熱帯モード水の季節的な消長は、下層からの栄養塩補給過程を通じて表層の植物プランクトンの動態に間接的に影響を与えている可能性を示す。今後の黒潮流域の低次生態系モニタリング調査における海洋物理構造解析において、亜熱帯モードの動態解明を重点的に進める必要性を明確にした。

御前崎沖東経138度線での夏(右)と冬(左)の水温構造
-黒潮流軸基準(矢印位置)-

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