伊豆諸島域の黒潮流路変動予測の可能性
海洋生産部

研究の背景・目的
  1. 伊豆諸島域のサバ等の漁場形成には黒潮の変動が大きく影響。より的確な黒潮流路予測の提供が求められている。
  2. 短期(1ヶ月程度まで)の予測はデータ同化モデルでほぼ可能な状況。長期変動予測には統計的な予測モデルを用いた解析が必要である。
  3. 黒潮の長期変動は太平洋規模の風の変動にコントロールされ、変動のシグナルは海域間で時間差を持って現れる傾向。このため、黒潮流軸変動に先行する変動を見出し、それを指標とした黒潮流軸変動予測のモデル化の可能性を調べる。
研究成果
  1. 東京―小笠原間のフェリー航走水温の解析から、伊豆諸島付近の水温変動が黒潮流軸変動と同期していること、伊豆海嶺に沿った水温変動に南が先行する南北位相差があることが明らかになった。
  2. 衛星観測による伊豆海嶺に沿った海面高度偏差の長期変動は、南側ほど黒潮変動より位相が進み.北緯25度付近での海面高度が正偏差のとき1.5-2年後の黒潮が北偏傾向、逆に負偏差のとき南偏傾向となることが明らかになった。
波及効果
  1. 黒潮流路変動に先行する海面高度変動の存在は、伊豆諸島域の黒潮流軸位置の予測モデルにつながる結果であり、今後そのメカニズムを明確にすることにより、黒潮の長期予測の根拠として活用されることが期待できる。

図 伊豆海嶺に沿った海面高度偏差の時間-経度断面図。濃(薄)い陰影は海面高度が平均よりも低(高)いことを示す。赤い曲線は黒潮の流軸位置を示す。斜線で示すように、北緯25度付近の海面高度が低いと、その約1.5-2年後に黒潮流軸が南に下がる傾向が認められる。

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