イカの死後変化における遊離リボースの生成
[要約] 従来から問題とされてきた、さきいか褐変現象と死後変化において生成する遊離リボースとの関係を検討した。鮮度低下したイカは核酸関連化合物の分解に伴っ て遊離リポースが生成し、褐変しやすいことが判明した。。
中央水産研究所 加工流通部 品質管理研究室 連絡先045-788-7664
推 進 会 議水産利用加工研究推進全国会議 専  門加工流通技術 対  象頭足類 分  類研究

[背景・ねらい]
 さきいかは色調の白さが、その品質上非常に重要視される。乾製品であるさきいかは・本来室温で長期保存が可能である。しかし、夏季などの高温季にメイラード反応による褐変を起こして色調が変化し、変色した製品は返品・処分される・という問題を従来から抱えてしる。これまでの研究により、さきいか褐変現象の特徴や原料であるイカ類の特性が明らかにされてきた。遊離リボース(Rib)は、褐変を著しく促進することが知られ・魚介類中に存在することもわかっている。しかし、その由来は明確にされておらず・死後における核酸関連化合物の分解過程が主な生成源と考えられるが詳細は明らかでない。そこで、本研究では死後変化における核酸関連化合物の分解過程で生成するRibに注目し・主要な原料の1種であるアカイカの死後における鮮度低下と遊離リボースの生成、およびこれを原料とした際のさきいか褐変の進行との関係を明らかにした。
 

[成果の内容・特徴]
 
船凍アカイカを解凍後に5℃でO日、1日、3日間放置して鮮度低下させた後製造したさきいかを35℃で保存すると、鮮度が低下したものは保存初期におけるa“値の増加がより大きく、褐変がより進行することが判明した(図1)。
釣獲後、12℃で0時間、3時間、6時間および12時間放置して鮮度を低下させてから凍結貯蔵した後さきいかを製造した場合、鮮度が低いものほど保存初期のaホ値の増加が大きく、褐変が進行することがわかった(図2)。また・凍結前の放置時問が長くなる(鮮度低下する)ほど核酸関連化合物の分解が進行してヒポキサンチン(Hx)が増加し・これに伴ってRibが増加した(図3)。

[成果の活用面・留意点]
 
 イカの死後変化において生成する遊離リボースによりさきいかの褐変が進行することが示唆された。イカ乾製品の褐変現象は、なるべく鮮度の良いイカを使用することで進行を遅らせることが出来ると考えられる。

[その他]
 
研究課題名さきいかの褐変防止技術の開発研究
研究期間平成10~11年度
研究担当者大村裕治
発表論文等平成11年度日本水産学会春季大会(口頭発表)