アルビノリュウキンの作出


[要約]
 アルビノ個体とリュウキンとの交雑により、アルビノリュウキンの作出を試みた。アルビノ個体の原種は、出目性和金型の個体であったが、交雑と交配を重ねた結果、劣性のアルビノ遺伝子をリュウキン型の魚に取り込ませ、アルビノリュウキンが作出できた。

愛知県水産試験場内水面漁業研究所弥富指導所

[連絡先] 0567-65-2488[推進会議]内水面(中央ブロック)水産業関係試験研究推進会議[専門]  内水面、増養殖技術[対象]  その他の魚類[分類]  研究

[背景・ねらい]
 当水産試験場では、キンギョの愛好者を増やし消費拡大を図るため、新品種作出等の品種改良試験を行っている。そこで、これまで 一般に生産されていないアルビノの形質を持った魅力あるキンギョの作出を試みた。

[成果の内容・特徴]

  1. 平成元年から平成8年にかけて、図1による4段階の交雑・交配と選抜飼育を行った結果、アルビノ系のリュキンを作出することがで きた。平成8年の同系交配の結果、アルビノの出現率は、 7.1%であった。
  2. キンギョにおいても交雑により必要とする形質を持った魚を作ることができ、品種改良を行ううえで有効な手段であることが証明でき た。
  3. 交雑させることにより、表1、図2に示したようにリュウキン型の出現率は減少し、尾鰭の形や体型の分散は大きくなった。

[成果の活用面・留意点]

  1. アルビノと同様な遺伝形式を示す形質は、交雑による新品種作出において有効に利用できる。チャキンの持つ茶色、セイブン魚の持つ 青色等は、同様な遺伝形質と考えられる。したがって、アルビノ形質、チャキン色、セイブン色などを持つリュウキンやランチュウの作出 は可能であると考えられる。
  2. 体型等については、交雑により分散が大きくなるため、目的とする体型への固定が必要となる。体型固定化方法としては、従来どおり の交配・選抜やバイオテクノロジー技術の応用が考えられる。体型の固定化ができ、市場価値が上がれば、生産ベースに乗せることができ る。

[具体的データ]




[その他]研究課題名:育種技術開発予算区分 :単県研究期間 :平成元年度より実施研究担当者:愛知県水産試験場内水面漁業研究所弥富指導所
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