マロンのシェルターの選択性


[要約]
 マロンの高密度飼育を行う上で成長に応じた適正なシェルタ-を与える必要があり、シェルタ-として利用するパイプの管径とサイズの関係を求めた。最小利用管径は頭甲胸幅の1.54~3.13倍で平均2.09倍であった。

石川県水産総合センター内水面水産センター

[連絡先] 07617-8-3312[推進会議]内水面(中央ブロック)水産業関係試験研究推進会議[専門]  内水面、増養殖技術[対象]  他のえび類[分類]  研究

[背景・ねらい]
 マロンは隠れ家として、親エビより離れた時期はロ-プ繊維等の束を利用しているが1g程度まで成長するとパイプ、ブロック等に 入るようになる。今までの例では高密度で飼育する場合に利用しないパイプが多く見られ、且つ、入管しないエビも見られた。
 高密度飼育を行う上で減耗を軽減するには成長に応じた適正なシェルタ-を与える必 要があり、飼育の基準となる大きさを求めた。

[成果の内容・特徴]

  1. 2g~78gの稚エビを供試してシェルタ-として利用するパイプの管径とサイズの関係を求めた。4~6種類の管径の異なるパイプを 同時に水槽にセットし、供試エビを1~6尾収容して延べ13タイプの配列で行動を観察した。
  2. 最小利用管径は頭甲胸幅の1.54~3.13倍で平均2.09倍を使用していた。また、全長では0.34~0.76倍で平均0.46倍であった。体重では 相関は見られなかった。

[成果の活用面・留意点]

  1. マロン飼育において成長に応じたシェルタ-を与え、適正な隠れ家を確保させることが生残を高めることになり、今後の飼育に活用で きる。なお、100g以上の個体については今後、研究する必要があるが現在のブロックの径(80*50mm)で対応は可能と思われる。

[具体的データ]
2g~78gの幼エビを供試してシェルタ-として利用するパイプの管径とエビのサイズの関係を求めた。
各サイズともに複数の管径を利用し、管の配置を変更しても同様の結果であった。
利用状況を表1に示した。

1つの水槽に複数尾を収容した場合は図-1に示すように単独での収容時には入管しても管に入らない個体があった。
隣接した管に入った場合でもなわばり的な喧嘩は見られず、前を通過しても関心を見せない場合もあるが、触角が触れあう範囲より離れて いても図-2に示すように管をめぐり喧嘩になる場合があった。





[その他]研究課題名:地域特産種生産技術開発研究予算区分 :県単独研究期間 :平成6~10年度研究担当者:田中浩
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