広瀬川アユ遡上実態調査
- [要約]
- 宮城県内で遊漁が特に盛んな広瀬川においてアユの生態調査を行った。多くの天然アユの遡上や産卵が確認されている一方で、堰堤
等の影響によりアユの遡上が妨げられ、生息域が分断されている実態も明らかとなった。
宮城県内水面水産試験場
[連絡先] 宮城県内水面水産試験場[推進会議]内水面(中央ブロック)水産業関係試験研究推進会議
[専門] 内水面、資源生態[対象] アユ[分類] 調査
- [背景・ねらい]
- 内水面漁業資源として重要なアユを対象として、自県河川における天然遡上魚及び放 流魚の実態を把握することにより、資源の有
効利用や管理のための基礎資料とする。
[成果の内容・特徴]
- 天然アユの遡上時期を調査した。平成8年度のアユ遡上は、沿岸海水温と河川水温の低下により例年より2~3旬遅れた4月下旬か
らであった。
- 平成8年の天然アユ遡上の盛期は捕獲量の推移から5月下旬~6月上旬と考えられた(図2)。
- 遡上魚の分布は堰堤下部に多く上部で少なかったことから、堰堤によりアユの遡上が阻害されていると考えられた。
(図2)
- 天然遡上アユが堰堤下に高密に滞留したため、餌不足がおこり成長不良が認められた。
- 堰堤によりアユの遡上が阻害されたことにより、アユの生息域が分断されていることが確認された。
- 海産種苗と湖産種苗の本県河川における生態的差異を検討するため、それぞれの種苗を標識放流し、追跡調査を行った。両者の成長は
、海産種苗で成長速度が早い傾向が認められ、県内河川には自県産の海産種苗が適している可能性が示唆された
(図3)。
[成果の活用面・留意点]
- 天然遡上アユの実態と、河川における分布状況を調査し、河川の現状と魚の生息実態を把握するとともに、これからの河川環境の
あり方と内水面漁業振興のための施策を提言する。
[具体的データ]
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[その他]
研究課題名:魚影の郷整備調査事業
予算区分 :県単独
研究期間 :平成5年度~平成9年度
研究担当者:調査指導課、生産開発科
発表論文等:なし
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