アマノリ葉状体プロトプラストの超低温保存


[要約]
 アマノリ葉状体から分離したプロトプラストを、マンニトール海水中で予備凍結後、液体窒素中に浸漬保存すると長期間の保存が可能である。
西海区水産研究所 資源増殖部 藻類・貝類増殖研究室
[連絡先]  0958-22-8158
[推進会議] 西海ブロック水産業関係試験研究推進会議
[専門]     贈養殖技術
[対象]     のり
[分類]     普及

[背景・ねらい]
 アマノリのプロトプラストは、育種素材や実験材料として重要なものとなってきているが、保存できないため試験研究の大きな障害となっている。
[成果の内容・特徴]
  1. 材料:アマノリ葉状体より酵素処理により分離したプロトプラスト。
  2. 方法:0.3~0.7Mマンニトール海水中でプログラムフリーザーを用いて予備凍結後、液体窒素中に浸漬保存。
  3. 結果:7年間液体窒素中に保存後、解凍して生存率を調べると、約半数のプロトプラストが生存していた。
  4. 特徴:長期保存していても高い生存率が得られること。
[成果の活用面・留意点]
アマノリのプロトプラストを用いた各種実験を効率的に行うことができる。

[具体的データ]
表1.解凍後のアマノリのプロトプラストの生存率
図1.液体窒素中に7年間保存したアマノリのプロトプラスト
[その他]
研究課題名:藻類凍結保存における生存率向上の検討
予算区分 :経常
研究期間 :平成8年度(平成6~8)
研究担当者:藤吉英次・梅沢 敏・清本節夫
発表論文 :凍結保存技術の開発と応用への展望、月刊海洋、27巻11号、1995。
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