平成17年度中央ブロック水産業関係試験研究推進会議
浅海増殖部会報告書

会議責任者中央水産研究所長
開催日時及び場所日時平成17年11月7日13:30~8日12:30
場所中央水産研究所第1・2会議室
出席者所属機関及び人数 14機関 23名
結果の概要
議題結果の概要
1)水産研究をとりまく情勢
中央水産研究所より、資料に基づき18年度の農林水産省予算、科学技術振興費等の水産分野関連情報、次期中期計画の策定をはじめとする水研センター及び中央水研の調査・研究推進をめぐる動き等について説明した。
2)各部運営要領の確認
いくつかの機関で組織改正等により名称や所在地の変更があったことから、要領の改正を行い、承認された。
3)研究課題情報のとりまとめ結果の報告
各機関より提出された161課題の分野及び対象種による分類結果(藻類対象課題が多いのが特徴的)を浅海増殖部長が報告し、各機関から新規課題を中心に補足説明があった。
4)情勢報告(トピックス)
温暖化と関連したノリの品種改良(千葉、愛知)、磯焼け対策(東京、高知、宮崎)、アマモ場造成(神奈川、三重、徳島)等のトピックスが報告され、藻場造成を中心に意見交換を行った。
5)研究成果情報の検討
提出された8件の情報について検討した。このうち、宮崎水試の成果「小型藻類藻場の生産性・・・・」の2題については統合を検討することとし、全課題についてコメントを送付して修正を加え、12月の推進会議に提案することが了承された。なお、本部会で検討できなかった愛知県からの成果情報については、後日各機関に送付して検討することにした。
6)平成16年度の部会での合意事項の実施状況の点検
沿岸浅海域WG・アワビ研究会の継続:本年2月に会議を開き、発育段階初期の生態・動態を焦点としてアワビ類漁獲量の減少要因の解明を引き続き進めること、動態解明のための基礎知見として水温、塩分、流向流速等の環境条件のデータ整備を進めることを取り決めた。平成17年度も継続して開催を予定している。初期生態だけではなく資源解析等まで研究の幅を広げ、漁獲量の減少要因の解明と対策に取り組む。環境条件のデータ整備については、沿岸浅海域WGと有効に連携して進める。
アサリ回復に向けた沿岸浅海WGの活動はアサリ資源全国協議会での活動に発展的に移行:アサリ資源全国協議会(平成15~17年度)の太平洋ブロック分科会において関連する課題や問題点を整理するとともに、提言検討委員会の委員、事務局を担当して「国産アサリの復活に向けて」とする提言案を取りまとめ中である。また、平成18年度以降の新規事業・調査研究の提案を予定している。
極沿岸域での環境条件に関する検討体制の整備:平成18年度開始の技会プロジェクト「農林水産研究への活用に向けたIT関連研究」に沿岸浅海域のモニタリングシステム構築に関する課題を提案したが不採択となった。1月末に開催予定の沿岸浅海域WGにおいて、海洋生産部との連携により課題化の再検討を試みる予定である。
7)平成17年度の新たな要望事項
栽培対象種に関する情報交換の充実(神奈川):対象種の漁獲・再捕・遺伝的諸問題等に関する情報及び意見交換が重要との認識で一致した。従来、情報交換の場として機能してきた栽培漁業太平洋南ブロック会議の下部組織を充実させる方法が提案され、平成18年度中に検討を進めることが合意された。
東京湾のアマモ場造成の連絡会議の設立(神奈川):アマモ場造成については自治体間での取り組みに温度差があることから、神奈川県における先進的な取り組みの状況を次回の部会で報告していただくこととした。
8)ブロックで取り組むべき事項(総合討論)
アワビ研究会と沿岸浅海域WGについては「栽培プロ研」評価会議と連携して1月末に開催する。
アサリ資源全国協議会で検討されている高度化事業への課題の提案について、積極的に応募することとなった。
極沿岸環境のモニタリングについては、予算化が困難なことから、当面は沿岸浅海域WGにおいて情報交換を続ける。
アマモに限らず藻場造成一般に関して、事業報告会のみでは技術的な問題点の検討が不十分であり、全国的な検討体制の場が必要であるとする意見が出され、ブロック推進会議に検討を求めることとした。
これらの決定事項、意見及び要望事項をもとに以下の合意事項をとりまとめた。
9)部会における合意事項
(1)アワビ研究会・沿岸浅海域WGの活動は継続し、平成18年1月下旬を目途に開催する。また、平成16年度の部会で提案された「潜水調査における危険防止」に関わる研修会もあわせて開催する。
(2)アサリ資源全国協議会で検討中のアサリ漁獲量減少要因の把握とその対策技術に関わるプロジェックト研究(高度化事業)の提案に、ブロック分科会活動を通して積極的に取り組む。
(3)栽培対象種に関わる標識問題、系群問題等の情報交換会については、栽培漁業部と相談して、平成18年度中にその設置方法を検討する。

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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