平成16年度内水面関係試験研究推進会議養殖部会報告書

会議責任者中央水産研究所長
開催日時及び場所日時平成15年12月8日9:00~12:30
場所中央水産研究所講堂
出席者所属機関及び人数     36機関 55人
結果の概要
議題結果の概要
 中央水産研究所長から、開会の挨拶とともに、養殖業における疾病の蔓延や被害拡大の主要因は種苗供給の一極集中化であることから、対策として種苗供給地を分散させることが最も重要であり、その上で防疫体制を整備すべきであるとの考えが示された。
1.推進会議並びに部会の運営について  企画総務部長から、平成16年度に行われた中央水産研究所の組織改正の概要と、それに伴う各推進会議及び部会の運営体制の変更に関する説明があった。内水面研究部長から、内水面研究部組織改正の経緯、基本的方向性、研究室名、研究内容、重要研究課題等の説明があった。さらに、養殖部会の運営要領について、企画調整課長より説明があった。
2.協議事項
1)各機関の水産研究の成果情報に関すること  提出された19課題の成果情報について、専門分野の研究者からのコメントに対する回答や改善点を交え、各機関から説明があった。協議の結果、全課題を内水面推進会議に提案することが承認された。
2)各機関が実施している試験、研究、調査に関すること  各県から提出された養殖関連課題147件についての分析結果が報告された。約45%が疾病関連の課題(66課題)であり、養殖関連課題を実施している37県の内31県(約84%)が疾病関連課題を実施しており、各県共に主要な課題に位置付けているとの説明があった。また、冷水性魚類養殖関連課題やバイテク関連課題等が実施されているとの説明があった。
3)研究ニーズ等に関すること  各試験研究機関から提出された本部会と関連する研究ニーズ及び重点をおくべき研究課題は29件であった。複数の県からの同一・類似の提案を本部会にとって優先度が高いニーズとして「高品質」、「養殖環境」及び「疾病研究推進」の3グループにとりまとめ、それらについて協議した。
高品質及び養殖環境については、内水面研究部日光庁舎の育成生理研究室の業務が含まれており、専門家とのメーリングリストの立ち上げ等により、積極的に連絡を取り合って情報交換や情報の共有化を図り、問題の抽出と整理を行うことで了承された。
疾病研究推進に関しては、本年度から養殖研究所が実施する「水産養殖関係試験研究推進会議特別部会魚病部会」に報告することが了承された。
4)研究交流・連携に関すること  各機関における共同研究実施状況の報告から、各県と大学等他機関との連携が活発であることが認識された。各機関の報告には単独では解決できない研究ニーズや問題点等が含まれており、内水面研究部長から、今後は今まで以上に連携・協同研究を強化していきたいとの意思表明があった。
5)その他  平成15年度の本部会において、低迷する養鱒技術の再建に向けて「鮭鱒」経営経済、流通の専門家によるレクチャーの要望があり、さけます資源管理センター漁業経済研究室長を招聘し講演を行った。また、新潟県中越地震の内水面研究部の取り組みと内水面養殖の被害状況について報告があり、内水面研究部も出来うる限りの協力を行っていく旨の説明があった。また、養殖研究所の平成16年度業務実施報告に関連して、各県から、社会的に大きな問題となっているコイヘルペスウイルス病(KHV)に関するプロジェクト研究に参加したい旨の要望があった。内水面研究部長から、KHVは特定疾病であるので、施設等の問題があり難しい旨の説明があった。
 最後に、内水面研究部長から、「成果情報」の説明に要する時間短縮のアイデア募集とともに、資料「各機関が実施している試験、研究、調査に関すること」の有効活用について検討が必要である旨の提起があった。
6)閉会  座長が閉会を宣言した。

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