平成15年度中央ブロック水産業関係試験研究推進会議
漁業資源・海洋環境合同部会

会議責任者中央水産研究所長
開催日時及び場所日時平成15年12月17日13:00~18日12:00
場所中央水産研究所 講堂
出席者所属機関及び人数 18機関 46名
結果の概要
議題結果の概要
1)最近の情勢について
最近の科学技術、農林水産業、水産総合研究センターをめぐる情勢について企画連絡室長より説明があった。また総合科学技術会議と委託プロジェクト研究について研究指導課より説明があった。また各機関より本年度の情勢について報告があった。
2)平成14年度要望事項等のフォローアップ
キンメダイの資源生態研究(東京都):
キンメダイ作業部会を設置し、キンメダイの生物特性と漁業の実態を取りまとめるとともに、9月の資源・海洋研究会においてミニ・シンポジウム「キンメダイの資源と生態」を開催し、印刷物を作成した。今後は資源評価調査事業の沿岸資源動向調査として位置づけ情報の収集と交換の場を提供する。
水産資源の変動機構の解明と予測手法の開発(鹿児島県):
資源評価調査事業による「資源変動要因と予測手法検討ワーキンググループ」の設立について説明した。今後は再委託により各機関との連携を推進する。
カタクチイワシの内海系群に関する研究について(和歌山県):
9月の資源・海洋研究会において資源と海洋環境との関係解明について、現場データや数値計算等を活用した事例紹介を行った。また沿岸定線データの活用について考察した。
マイワシ資源変動と東海海域の海況変動との関係について(愛知県):
2月にマイワシ等の資源変動要因に関する検討会を開催し、結果をホームページに掲載、水産庁より冊子が印刷された。資源変動と海洋環境の関連解明に向けた調査を検討している。
掲示板の設置について:
中央水研より中央ブロック全体の公的連絡網として「掲示板」の設置を検討したが、セキュリティと管理の面から問題があるので、メーリングリストで対応することにした。
3)研究交流・連携に関すること
キンメダイの稚魚期生態に関する研究(東京都):
沖合における卵稚仔調査および黒潮域や続流域における加入量調査で採集される標本を活用してキンメダイの稚魚期の分布に関する情報を収集すると共に、漁業資源部会として情報交換の場を提供していきたい。
ブリの生態に関する調査研究の強化(三重県):
中央水研では所内プロ研を立ち上げ、黒潮沿岸域の都県と連携しながら共同で、定置網等で漁獲されるブリを含む漁獲データと水温データの収集・解析を開始している。またブリを対象に記憶式標識の装着・放流試験も計画している。資源評価においても生物測定調査は既に調査項目の中には含めているが、ブリの成長や成熟年齢などは基本的な情報であり今後さらに強化して収集したい。
関東・東海海域における海況の短期予測技術の開発研究(千葉県、三重県):
中央水研では15年度から日本財団の助成事業「沖合海洋情報流通システムの開発」に取り組んでおり、得られた水温情報はブロック内都県にも配信する予定。千葉県を中心に計画されている「広域ニーズ・シーズ対応型研究」への応募に際しては、中央水研としても積極的に協力したい。
沿岸定線調査に係わる海況解析技術の研修会開催(千葉県、)、沿岸海況情報の高度化(静岡県):
中央水研では各都県から提供していただいた沿岸定線データ等のデータセットを編集中。完成すればブロック共用ファイルとして公開するとともに、要望があった研修会等を開催し、共同解析作業に取り組みたい。
4)成果情報について
提出された16件の成果情報(海洋5、資源11)について検討した。若干の修正を加えて、1月14-15日の推進会議に提案することが了承された。
5)総合討論
各機関の調査船の諸問題について情報を交換した。
中央水研より、海洋観測データの取り扱いについて、資源評価調査事業の一環としてFRESCOへの海洋観測データの入力義務を確認するとともに、都県単独予算による海洋観測データについても、中央水研経由でJODCに提供するなど、そのデータ価値を高めるために各都県研究機関の理解が必要である旨を述べた。
先端技術を活用した農林水産研究高度化事業の地方領域設定型研究における水産分野の研究領域候補の選定に関連して、都道府県ブロックが「東海ブロック」と「瀬戸内海ブロック」になっており、推進会議の「中央ブロック」と一致しないことから、中央ブロック全体、特に和歌山以西の太平洋側県の意向が反映されにくいので、研究領域候補の選定にかかる都道府県ブロック区分の再検討を推進会議に提言することとした。
3部会合同および漁業資源・海洋環境合同部会については、総合討論の項目を事前に整理しておくこと及び議論の時間を十分に確保することに留意しながら、次年度もこの合同部会形式で開催することとした。

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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