平成15年度水産利用加工関係試験研究推進会議「都道府県部会」報告書

会議責任者中央水産研究所長
開催日時及び場所日時平成15年10月30日(木)15:00から
31日(金)12:00まで
場所中央水産研究所 講堂
出席者所属機関及び人数    59機関  84名
結果の概要
議題結果の概要
1.経過説明  本部会の開催に先だち、8月に6ブロック及び行政機関の幹事が開催日時や議事内容等について協議し、10月29~31日に勉強会、研究会及び都道府県部会を開催することとした。なお、平成15年度水産利用加工関係試験研究推進会議は平成16年2月5日に開催する予定であることを伝えた。また、議事内容については、おおむね原案が了承された。
 都道府県部会の当日に事前に幹事会を開催し、第1回幹事会からの変更事項について協議した。主な変更点は、フグのホルマリン問題のような突発的な事項への水産利用加工関係の試験研究機関の関わりについてであり、実際の対処について教訓を得ようとしたが、当時進行中の事項でもあったため、今回はこれを話題から除外することとした。
2.水産利用加工関連事業及び情勢報告について  農林水産省総合食品局食品産業企画課技術室、農林水産技術会議事務局、水産庁漁政部加工流通課、水産庁増殖推進部研究指導課、水産庁増殖推進部研究指導課海洋技術室から、資料にもとづき、実施中、実施予定および募集予定の水産利用加工関係の事業等についての説明があった。
 また、(独)食品総合研究所、(独)畜産草地研究所、(独)農林水産消費技術センター、(独)国際農林水産業研究センター水産部から、水産関連事業や共同研究、トピックスなどについて、配付資料やパワーポイント等を使用した説明があった。
3.中央水産研究所における水産利用加工試験研究の動向  中央水研の利用加工関係2部が実施している試験研究の総括的な内容について、平成14年度「水産物利用加工試験研究成績・計画概要」に基づき説明した。都道府県の関心の強い各研究室が行っている試験研究については、トピックス的な実施課題を中心に話題の提供を行った。(例年、この部分への関心は高く、研究員と都道府県研究員との情報交換や論議などが、研究室等で為されている)
4.ブロック内の水産利用加工関係試験研究について  北海道ブロック(北海道立中央水産試験場 西 紘平加工利用部長)、東北ブロック(福島県水産試験場 岩上哲也漁場環境部長)、中央ブロック(千葉県水産研究センター 網仲 仁流通加工研究室長)近畿・中国・四国ブロック(香川県産業技術センター食品研究所 白川武志総括主席研究員)、日本海ブロック(秋田県総合食品研究所 塚本研一研究員)九州ブロック(熊本県水産研究センター 平山 泉利用加工研究部長)より、ブロック内の水産業の状況、研究対応体制等について説明があった。いずれも厳しい水産不況、消費不況の現状があり、これらの打開に向けた取り組みが紹介された。
5.研究成果情報と水産研究課題の収集について  研究成果情報と水産研究課題の収集について、2つの経路による収集を行うことを説明し、ブロック担当水研又は当所からの協力依頼の公文発出後の流れを説明し、理解と協力をお願いした。
6.勉強会報告  事前に行われた4つの勉強会の概要を担当室長が説明した。これまでに勉強会で取り上げられた課題について、水産庁事業等への採用で対応している事や、今後の事業等の組み立てへの協力依頼と参加の要請等について報告があった。また、情報収集・交換を中心とした勉強会についても説明があり、共通認識や周辺領域への理解が深まっている実状等が報告された。
7.「水産加工品総覧」の出版について  この単行本は、この推進会議の協力で行う事業とされており、発刊に向けて着実に作業が進展していることが報告された。本部会終了後に、編集委員会が開催された。
8.地域水産加工技術セミナーについて  平成15年6月に八戸市で開催された第1回セミナーの概要と、同年11月に下関で開催予定の第2回セミナーについて説明があり、今後も継続して実施する予定であることが報告されるとともに、協力要請があった。
9.水銀を含有する魚介類の摂食に関する注意事項について  本年度の水産業、水産加工業に多大な影響を及ぼした厚生労働省の水銀に関する発表について、生態系保全室長から提出された資料を確認し、各都道府県が共通の認識に立って今後の事態に対応することとした。
10.利用加工関係ホームページについて  昨年来、中央水研の利用加工関係のホームぺージの拡充整備について説明し、リンクへの協力に謝辞が述べられた。現在、アクセス数も増加し、寄せられる質問なども多くなっていること、今後も適宜更新していくこと、有効利用に向けた取り組みを行うこと等のが報告された。
11.カタクチイワシの利用について  企業・団体部会では、カタクチイワシ資源とその利用についての話題提供が行われた。その中で、この資源の有効利用について、情報交換や今後の取り組み等について「都道府県部会」も交えて論議することを提案し、了承された旨を説明し、本部会でも了承された。今後は、カタクチイワシ資源の有効利用を図るため、両部会員や行政担当者等による論議の場を設けることを確認した。
12.情報収集体制の提案について   都道府県からの水産利用加工に関する要望やニーズの把握等を行うための情報の収集体制について提案した。研究課題や研究成果情報がブロック水研への所属の有無によって2つの経路を経て当所に集まる流れを提案したが、提案した方法では漏れがないように情報収集することが困難でなることが判明した。
 そこで、水産試験場のように海区ブロックに参加している公的試験研究機関と、工業技術センターのように海区ブロックに参加していない公的試験研究機関の両者に、当所から一括して依頼し、収集した情報等は各ブロックの担当水産研究所にも連絡する方法を検討することとした。なお、水産利用加工に関する突発的な問題に関しては、直接当所に連絡頂く方針についてはこれまで通りであることを確認した。

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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