平成14年度水産利用加工関係試験研究推進会議報告書

会議責任者中央水産研究所長
開催日時及び場所日時平成15年 2月 6日(木) 13:30~17:30
場所中央水産研究所 講堂
出席者所属機関及び人数 18機関    27名
結果の概要
議題結果の概要
・水産利用加工関係の情勢について  企業:理研ビタミン食品素材開発部長より民間企業動向についての説明があり、例として、食品製造においては、原材料・添加物のアレルゲン等に関する膨大な書類の作成が必要となっており、食の安全・安心の視点から、こうした消費者のニーズに丁寧に対応し、信頼を形成することが、食品産業に求められているということが報告された。
 都道府県の情勢について:公立研究機関代表者から取りまとめ報告された。北海道及び東北ブロックでは、業界が生き残りを掛けて必死で、場合によっては、あまり赤字を出さない段階で撤退、廃業を考えているところもある。漁業生産の落ち込みから原材料の手当てに難渋し、県外等なり振りかまわず原材料を調達しているとの発言があった。中央ブロックからは、商戦を戦うためには、品質基準の策定、とりわけ官能評価基準のマニュアル化が必要との意見が出された。近畿、中国、四国ブロックからは専門分野外との連携に努めて欲しいとの話があった。日本海ブロックは平成4,5年頃から水産加工業の衰えが目立ち、追い討ちを掛けるように食の安全などの問題が持ち上がり、中央水研が主導を取って、産業の活性化を図って欲しいとの言があった。西海ブロックからは有明のノリ被害のような問題があるので、ブロック対応なども視野に入れて欲しいとの要望があった。
 学から:東京水産大学の和田俊教授より、大学の現状、独立行政法人化、東京水産大学と東京商船大学との統合等について報告があった。
・「水産研究・技術開発戦略」の達成状況に関すること  当推進会議構成機関から提出された研究課題を「水産研究・技術開発戦略」に即して分類し、各課題毎の進捗状況を基に、「水産研究・技術開発戦略」の各項目毎の目標に対するコメントに関する資料が提出され、了承された
・研究課題の重点化及びその内容に関すること  前年度に「都道府県部会」に設置された4つの勉強会についての討議状況が報告され、今後の展開方向が提案され次のように了承された。
1)「イカ新需要開拓のための技術開発」については加工流通課と中央水研で協議し、一部事業化することになった。今後、イカすり身などの取り扱いについては勉強会で煮詰めることになった。
2)「水産加工廃棄物の創資源化技術開発」については、平成15年度に課題化作業を行い、競争的資金に応募していく方向で研究の重点化等に対応する。
3)「腸炎ビブリオ対策など魚介類の安全性確保技術開発」については、都道府県には病害微生物の専門家が少ない等の困難な面があるが、要望も強いので、事業化あるいは競争的資金獲得に向けて向けて検討する
4)「美味しい養殖魚作りと超鮮度保持技術の開発」については広範な問題があることが勉強会で明らかになり、グループの意見、推進会議での議論をとも競争的資金の獲得を目指すことは一致している。今後、勉強会でさらなる議論することが必要である。
 以上の方向性が了承され、「部会」具体的な内容の検討を指示をした。
5)「全国水産加工品総覧」出版事業の経過報告があり、了承された。
研究の推進体制に関すること 上記の研究の重点化及びその内容に関して、引き続き4つの勉強会で対応することが了承された。
研究成果に関すること 11課題提出された14年度研究成果については、1件づつ提出機関等から説明され、質疑応答を経て、利用加工関係試験研究推進会議として了承された。
研究ニーズに関すること 「企業・団体部会」から、誤解等に基づく風評被害を事前の防止すると共に、消費者からの疑問、質問、問題提起に的確に答え対応することが重要になっているが、こうした問題は一企業、一組織で応ずるには限界があるので、これについて推進会議で検討することが必要であるとの提案があり、平成15年度の推進会議に向けて、「消費者等からの苦情等を含め意見提示に関するWG」を構成機関で作り、検討することで合意した。
・その他必要と認められること 利用加工関係の研究成果等の情報網の整備が各方面から求められているので、中央水研の利用加工関係のホームページを充実させると共に、各県、各組織のHPを整備し、可能なところからリンクし、全体として有効に機能するよう整備していくことが了承された。

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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