座長より、活動概要報告に対して、指導、提言、要望をお願いしたい。とりまとめ担当中課題については、評価結果をご審議いただきたい、との発言があり、各委員から、以下のような意見・要望等が出された。
①第1回の機関評価会議で論議があった環境改善に関しては、5カ年を通じて解明しつつあると思う。環境を活用するという観点で、研究テーマをとりあげ、成果を出していただきたい。
②多岐にわたり有意義な成果が出されている。東京湾では夏場の低酸素域が拡大している。夏の高温の長期化や大雨があるとダメージが大きく、翌年の漁業にも影響がある。関連する研究をやっていると思うが、今後も漁場環境問題に取り組んでほしい。
③5ヵ年を見ていて、充実してきた。論文も着実に出ている。成果を実際の漁業にどのように結び付けていくかが課題。TACと漁獲実績が対応しない。気候変動で大きく変化する魚はTACになじむのか、資源管理に役立つのかという気がする。今後、モデルを使った研究成果も取り入れながらTACや資源管理の精度を高めてほしい。
④TACまで早急に求められるのには疑問がある。漁業の管理制度は経済とも結びついているので複雑である。漁業者からは、我々に役立つ研究をとの意見があるが、研究所にTACを求めるのはおかしい。
⑤多くの研究をやり成果を上げており感心した。国の科学技術政策が第3期に入り、研究者は予算面や競争的環境についていくのが難しくなっている。若手研究者の育成に力を入れていただきたい。
⑥図書資料館に古文書が大量に蓄積されている。水産文化を発信していく拠点となってほしい。
⑦5ヵ年の中で、非常に努力されている。内湾の環境研究に関しては国交省とも協力して、漁業にとってよりよい方向で内湾域の振興を図っていただきたい。
⑧漁業関係は、予算が少ない。ごみ収集を行っているが、処分するための予算がない。
⑨ITを使った食品の利用、ネットカタログ、ネットブローカーを活用した研究など新しい技術を取り入れた研究を進めていただきたい。
⑩遺伝子組み換え食品を餌として魚が取り込んだかどうかがわかるとのことだが、どのような方法か?
(答)植物の組み換えの遺伝子をトレースできる。ハマチなどの養殖魚を対象としている。
⑪任期付き任用制度の現状はどうなっているか。
(答)現在、当所には若手育成型で2名在籍している。任期満了後、その研究分野での人員の強化が必要となれば、選考採用の候補者となりうる。 |