概要 |
議題 | 内容 |
1.開会 |
企画連絡室長により開会が宣言された。
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2.所長挨拶 |
所長から会議の冒頭に調査船(用船)とりしまの衝突沈没事故に係る経過並びに水研センター内に事故対策室を設置して行方不明者の捜索等に対処している旨の説明があった。
所長から評価委員の出席に対して感謝の意が表された。続いて、①武部前農林水産大臣の提唱による「食と農の再生プラン(平成14年4月)」の中で、水研センターは、独法化して2年が経過した。今後とも試験研究機関としてその役割と使命を認識し、更なる努力を続ける。②本年10月の法人統合に向けての準備等も進められている。③中央水研には、ア)海区共通基盤的研究、イ)全国共通基盤的研究、ウ)中央ブロック対応などの他の水研にはない特色がある。④所運営、研究の推進方向、研究計画、研究成果等をトータルな観点から評価頂き、必要に応じて改善方策等の提言を頂けるよう要請があった。 |
3.委員等紹介 |
企画連絡室長から評価委員と水研側出席者の紹介がされた。 |
4.座長選出 |
長島委員を推薦し了承された。 |
議事 |
5.中央水産研究所機関評価会議について |
企画連絡室長が、資料5に基づき今回の会議の目的、内容等について説明を行った。 |
6.中央水産研究所研究評価部会報告について |
企画連絡室長が、研究課題の評価結果等について資料6-(1)・(2)に基づき説明を行った。
嘉田委員から、評価Sの評価基準について質問があり、企連室長が、特に進展のあったもの、或いは画期的な発見等がされたものなどである旨の回答を行い、利用化学部長と海区水産業研究部長から該当する成果に対して解説した。 |
7.平成13年度の中央水産研究所機関評価会議のフォローアップについて |
企画連絡室長が、資料7に基づき説明を行った。
萬上委員から、アサリの自然共生プロ研(競争的資金)への応募が採用されなかった理由について質問があり、企連室長が農林水産技術会議の予算枠によるものである旨の説明をした。
嘉田委員から、研究者の業務における内部的業務と対外的業務、個人的研究と組織的研究のバランスについて質問があり、所長が研究目標の達成や研究成果の創出を図りつつ行政対応、組織対応、緊急対応等バランスを考えながら行わせている。一般(経常)研究とプロジェクト研究では基本的には人材育成におけるライフステージに対応させている。特に若い研究職員では一般研究にウェイトを置き、これを進展させてプロジェクト研究へ進ませる旨説明した。 |
8.所の運営について |
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(1)中央水産研究所の運営態勢(組織的体制と運営) |
企画連絡室長が、資料8-(0)・(1)に基づき説明を行った。
長島委員から、全国対応とブロック対応について質問があり、所長がブロックの対応についての仕組み等について説明した。 |
(2)所の活動方針の立案と具体的な対応について | 企画連絡室長が、資料8-(2)に基づき説明を行った。
青木委員から、論文にするための指導は大切であり評価する旨の意見があった。
嘉田委員から、BSEの反省から食品の安全が柱となり、リスク(例えば、自然災害・事故、食品の安全・安心、国際問題など)管理、リスク評価が重要視されている、リスクの想定や評価、未然に防ぐ対策など幅広く検討してほしい旨の意見があった。
長島委員から、人材育成は重要でありその取り組みは評価できる旨の意見があった。 |
(3)中央水産研究所関係試験研究推進会議 |
企画連絡室長が、資料8-(3)に基づき説明を行った。
長島委員から、今年の水産利用加工関係試験研究推進会議の企業・団体部会の会議に出席したが、民間企業との連携作り等問題点が見えてくるような会議であった旨の意見があった。
嘉田委員から、水研の活動を国民に見てもらうことが大切であり、プロジェクト提案課題である「ブリ」のキャッチコピーは良い印象である旨の意見があった。
萬上委員から、推進会議の推進態勢図はニーズに合った仕組みであり、評価できる旨の意見があった。 |
9.所の研究等の活動について(各部の活動報告) |
企画連絡室長が、中央水研の1年間の各部の活動と成果について資料9-(1)・(3)に基づき説明を行った。
嘉田委員から、ナマズによるブルーギルの駆除の効果について質問があり、内水面利用部長が琵琶湖などの大きな湖では完全な駆除は期待できないが、小さな湖沼では効果があると考えている、数を減らして次の対策を検討するための5カ年計画が進められている旨の説明をした。
嘉田委員から、水産食品を中心とした日本型食生活に係る成果を国民の目に見える総合的な研究として進めることが望ましい旨の意見があり、利用化学部長が食品総合研究所との連携で大型プロジェクト研究「健全な食生活構築のための食品の機能性及び安全性に関する総合研究」として進められている旨の説明をした。
小野委員から、水産物からのセラミド誘導体の抽出についての質問があり、利用化学部長より以前は牛の脳からセラミドを抽出していたがBSEの関係で牛の脳からの抽出が行われなくなり、以前から知られていた海産物のセラミド誘導体に注目して研究を進めた成果である。真珠を収穫した後のアコヤガイの内蔵などの軟体部に相当量のセラミド誘導体があることが分かり、今までは捨てていたアコヤガイの軟体部が利用できることから水産廃棄物問題の解決にも寄与できる可能性があるため脚光を浴びている旨の説明をした。関連して小野委員から、以前にも脚光を浴びた研究としてカニの甲羅等のキチン質についての研究があるが、今はどうなっているかとの質問があり、利用化学部長が現在ではキチン質の純度を高める研究が行われ、更なる応用研究等が進められている旨の説明をした。
嘉田委員から、水産廃棄物対策に係る質問があり、利用化学部長が細菌を用いた加工残滓の利用の可能性についても研究が進められており、また、これらの残滓処理は都道府県が抱えている最大の問題点の一つで、この研究プロジェクトの4つのWGのうちでも最大の人数となっている旨の説明をした。 |
10.中央水産研究所の活動の総括 |
企画連絡室長が、資料10に基づき説明を行った。
萬上委員から、学位取得者の中で入所してから取得した人と最初から取得していた人の割合について質問があり、企画連絡室長が、入所してから取得した者の方が多い旨の説明をした。
青木委員から、在職しながら大学へ通い、勉学に励むようなケースについて質問があり、企画連絡室長が海区水産業研究部、黒潮研究部等に大学院の社会人入学者が数名おり、所としても積極的に本制度の利用を押し進めている旨の説明をした。 |
11.委員による評価(協議) |
評価委員5名による別室での協議が行われた。 |
12.委員による評価結果の報告 |
座長から、以下の様な総括的な評価結果を受けた。
①所の運営については、各種の会議が効率的に行われ、競争的環境も醸成されつつあり、人材育成への取り組みも良策であり、評価はA。付け加えるコメントとして、統合によって、中央水研独自の研究が阻害されることのないよう配慮願いたい。②研究の推進方策については、各ブロック等の推進会議における活動も活発であり、評価はA。付け加えるコメントとして、研究ニーズの発掘や社会のニーズを発掘するための一層の配慮を願いたい。③研究の進捗状況については、研究の成果等により社会貢献している様が見られ、論文作成に係る指導も良策であり、評価はA。付け加えるコメントとして、今後は外部専門家を参画させて研究の展開を進めるなどの方策や国際化に対応した発信を視野に入れた方策にも配慮願いたい。
続いて各委員から、以下のような補足意見が提示された。
青木委員から、論文作成数の増加対策や昨年度の機関評価会議のフォローアップ等によりその成果が現れているように思う。水研センター研究報告を広く評価を受けたものにしていくことを望む旨の意見があった。
嘉田委員から、地域や業界などとのパートナーシップを考え、メディアを上手に活用し、子供でもわかる研究成果の発表を願いたい。また、現場から問題を発信して頂けるサポーターの養成を検討してほしい旨の意見があった。
萬上委員から、座長の総括的評価において充分に表現されているので、特段の意見はない旨の説明があった。 |
13.中央水産研究所としての評価結果に対する今後の対応について |
所長から、座長をはじめ各委員に対しお礼の言葉があった。
続いて、所長から、日頃から機関評価結果を反映させることが肝要である旨所員に指導している。今回の評価結果を良い意味で重荷と考え、今後、一層の努力をしたい。人材の育成等により組織への若い力の流入を実現したいと考えている。各水研の所長が会する会議等において、投稿数を具体的に示し、報告として記録に残すとともにこれらを国民に還することが肝要である旨を指摘している。統合する開発センターは漁獲収益も大きな財産であり、統合後は水研センターも収入という視点からの対応を考え、販売というような観点からも検討を進めている。パートナーシップが今後の重要な課題であるとの指摘については、地域への双方向のシステムを作って行きたい。リスク評価及び管理についての努力も必要と考える。資源に係る国際対応については、遠洋水研においても行っているが、当所としてもその他の分野や資源の経営経済に係る事項については努力して行きたい。などの評価結果に対する今後の取り組みや対応についての決意表明あった。
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