中央水研ニュースNo.31(2003...平成15年3月発行)掲載

【研究調整】
平成14年度利用加工関係試験研究推進会議部会について
中村 弘二

企業団体部会
 標記推進会議の企業・団体部会を,平成14年11月8日13:30~17:30,独立行政法人 水産総合研究センター中央水産研究所(以下(独)水研センター中央水研)で開催した。企業・団体部会構成者27団体,57名の他,水研センター本部及び中央水研から22名が参加した。
 冒頭,中央水研所長及び水産庁研究指導課長(中山海洋技術室長代読)から挨拶があった。続いて,農林水産省関係部局から平成15年度予算要求,及び事業の説明があった。さらに,農林水産技術会議事務局,水産庁から産官学連携研究の現状,行政施策の概説があった。平成13年度の中央水研の研究成果については,特許2件,研究報告が多数あったこと等を,加工流通部長が資料に基づき紹介した。
 本部会では構成者の代表からなる幹事会の合意により,今日的課題である「食の安全・安心」を取り上げ,その現状と安全性確保のための取り組みについて3名の方から話題提供があった。
 (株)消費経済研究所(食品管理センター)フーズグループ統括泉谷定男氏は,「食の安心,安全への取り組み」という題名で,最近の食品を巡る事故の例を紹介した。この中で,安全であることを当然のこととしている消費者の信頼を得るためには,発生防止策を講じることはもちろんのこと,危害発生時の透明で,適切な対応が重要であると説いた。
 (株)ニチレイ品質保証部長山本宏樹氏は,生産者の立場から「ニチレイの品質保証体制」という話題提供をした。一次産品の交易が国境を越えて広がる中で,輸入品の中には,時として日本では未認可農薬などに汚染されたものが潜んでいるという品質管理の難しさを指摘した。こうした中で,消費者の信頼確保のためには厳しい生産管理と真摯な問題対応が鍵になるとし,具体的に実施した事前検査制度,表示に関する社内マニュアル,品質評価体制等を紹介した。
 (独)農林水産消費技術センター技術指導部長川村和彦氏は,「食品表示制度と表示確認のための分析手法の開発」というテーマで,JAS法の改正の内容,実際の表示確認の取り組みについて触れ,今後,表示確認のための技術開発,産地判別技術等の研究の促進が是非とも必要であると強調した。
 協議事項では,水産物等食品の消費増大のためには,消費者の信頼回復が何より重要である。このためには行政・企業・団体・試験研究機関が組織の壁を越えて,食品の安全・安心への一体となった取り組みが必要であるということが確認された。さらに,当部会を効率的に運営するために,幹事選出母体のバランスを考え,幹事数を4から6名に増やし,部会の充実を図ることになった。

都道府県部会
 標記推進会議の都道府県部会を,平成14年11月27日13:30~17:30に(独)水研センター中央水研で開催した。参加者は農林水産省,都道府県公立研究機関など53機関79名の他,(独)水研センター本部・中央水研等27名であった。オブザーバーとして,4大学4名が出席した。
 企業・団体部会と同様,冒頭,中央水研所長及び水産庁研究指導課長(中山海洋技術室長代読)から挨拶があった。農林水産省関係部局から平成15年度予算関係資料の配布があった。また,農林水産技術会議事務局,水産庁資源増殖部から産官学連携研究に関する事業内容の説明等があった。中央水研の研究動向については,「食の安全・安心」関連で新規課題である「近縁魚類の種判別及び漁獲地域別判別技術の開発」の内容を説明した。
 水産研究・技術開発戦略に基づく公立試験研究機関,中央水研の研究課題の整理について,ブロック幹事から報告があった。成果の受け渡しのアンケート結果について報告した。公立研究機関は個別具体的に地域水産業のニーズに対応しているが,即応性ということでは難点があること,特許取得件数が少なく,成果を地域水産業の経営に還元するには工夫が必要等のことが明らかとなった。
 重点検討事項として,昨年度推進会議で都道府県部会に付託された「イカ新需要開拓のための技術開発」,「水産加工廃棄物の創資源化技術開発」,「腸炎ビブリオ対策など魚介類の安全性確保技術開発」及び「美味しい養殖魚作りと超鮮度保持技術の開発」の4勉強会について進め方等について報告があり了承された。なお,「全国水産加工品総覧」について,スケジュール,取り上げるべき製品の絞り込みが行われている等,平成16年3月刊行に向けた取り組みについて了承された。中央水研から,水産利用加工関係のホームページの立ち上げについて,利用加工研究に関する情報センターとする考え方や公立研究機関とのリンクの問題が提起された。リンクについて会議では異論は出なかったが,幹事会では県の了承が必要と言う意見もあり,個々の了承を得ながら進めるということになった。

(加工流通部長)

Kouji Nakamura
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