中央水研ニュースNo.30(2002...平成14年11月発行)掲載

【研究調整】
会議報告
坂本 久雄

平成14年度中央ブロック資源評価会議
 7月16日9時~15時にかけて31機関66名の出席を得て開催した。中央水研の担当者より評価群別の資源水準について,マサバ太平洋系群:低位・減少傾向,ゴマサバ太平洋系群:中位・横ばい傾向,マアジ太平洋系群:高位・増加傾向,マイワシ大平洋系群:低位・減少傾向,ブリ太平洋系群:中位・増加傾向,カタクチイワシ太平洋系群:高位・横ばい傾向,ウルメイワシ太平洋南部系群:中位・横ばい傾向,ヤリイカ太平洋南部系群:低位・減少傾向,ニギス太平洋中・南部系群:低位・減少傾向との評価が報告された。このことについて,外部委員の東京大学海洋研究所白木原國雄教授,遠洋水研平松一彦室長を交え検討を行った。ここでの意見・指摘事項等を参考に資源評価を再吟味し,8月21-22日の全国評価会議までに資源評価票を作成することになった。
平成14年度第一回中央ブロック資源評価調査担当者会議
 7月16日15時~17時にかけて30機関60名の出席を得て開催した。主な議題は次の通りであった。①資源評価調査魚種別調査実施要領(都道県再委託分)について:前年度中に発行して貰えないかとの要請があった。このことについて,水産庁より「本年度は試行段階であり新年度に入ってからの対応になったが,来年度は4月の実行段階に間に合うようにしたい。」との回答があった。②FRESCO2への対応について:水産総合研究センター本部より「沖合定線の入力は必須である。沿岸定線は必須ではないが入力を希望する。」との説明があった。なお,沿岸定線の扱いについてはFRESCO2の作業部会で検討し明確にすることとなった。③FRESCOへのデータ入力状況:JAFICより説明があった。④資源管理研修会について:15年1~2月に高知市で開催予定。詳細は未定との報告があった。
平成14年度中央ブロック卵・稚仔,プランクトン調査研究担当者協議会
 7月17日9時~12時にかけて30機関50名の出席を得て開催した。本会は最近の卵,稚仔量の評価を行うことが目的である。我が国太平洋岸のマイワシの2001年10月~2002年3月の産卵状況は前年同期の約0.2倍であった。カタクチイワシの2002年1月~3月の産卵は前年同期の約0.6倍,サバ属の産卵は2002年3月現在,本格化していない。ウルメイワシの2002年1月~3月は,四国南岸などに卵が出現しているが,少ないことが確認された。
平成14年度中央ブロック海洋構造変動パターン解析技術開発試験事業第1回地域検討会
 7月17日9時~12時にかけて16機関22名の出席を得て開催した。①平成14年度年次計画および調査経過報告:各県水産試験研究機関より資料に基づき報告があった。複数の県から「潮流成分の除去」が問題として挙がった。②データの収集・処理等について:特に大きな問題は出なかった。何か問題が生じたら中央水研に相談する。中央水研は現地視察やデータ解析の指導等を行うこととした。③平成9~13年度の取りまとめ状況報告:水産庁指定の様式2に基づき,各県から中央水研に提出があり,内容の検討を行った。各県は様式2の修正+報告資料を平成14年7月31日までに中央水研に提出することになった。中央水研はこれを基に様式1を作成する。④次回の海域検討会の当番は大分県となった。
平成14年度第1回太平洋アジ,サバ,イワシ類等長期漁海況予報会議
 7月17日13時~18日15時にかけて36機関97名を得て開催した。採択された予報の概要は,以下の通りである。黒潮流型:N型基調で推移する。沿岸水温は潮岬以西が「平年並み」~「高め」,同以東が「平年並み」~「低め」で推移する。伊豆諸島南部海域は「高め」基調となる。太平洋側への来遊量は,マサバは前年を下回る。ゴマサバは前年並みか下回る海域が多い。マアジは前年並みか下回る。マイワシは前年を大きく下回る。カタクチイワシは前年を下回る。ウルメイワシは前年を下回る海域が多い。
 次回の予報会議は12月に横浜市で開催することが確認された。
(黒潮研究部黒潮調査研究官)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp
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