中央水研ニュースNo.29(平成14年7月発行)掲載

【研究調整】
中央ブロック水産業関係試験研究推進会議について
中野  広

 中央ブロック推進会議は,平成14年1月30日に構成者の各水産試験場等の場所長,研究推進部長の他,水産庁研究指導課,養殖研究所長,それぞれの所長代理として東北水研及び瀬戸内水研企画連絡室長等,24機関65名が参加し開かれた。本会議は,本業務が水産庁からの受託業務となって始めての開催で,また,新たに実務責任者による会議である漁業資源部会,海洋環境部会を設け,既設置の海区水産業研究部会とあわせて3部会での論議後,推進会議を開催するという,所謂積み上げ方式で論議を進めた初めての会議でもあった。
 さて,今回の推進会議では,中央水研としては,水産試験場等が実際に直面している科学的な問題等を明らかにし,この問題に対してどう具体的に対処するかという視点で,取り組んだ。このため,各部会は,水試等の各機関の具体的なニーズとそれに対する具体的な対応方策を論議をするところ,推進会議は,部会を論議の結果をふまえてブロックとしての研究重点化,推進方向の決定及び特命事項の提示等をするものとして位置づけた。既に,各部会については,中央水研ニュースNo.28に報告されているのでそちらを参照願いたい。
 推進会議の主たる議題は,①各機関の試験研究をめぐる情勢,②「水産研究・技術開発戦略」の達成状況の把握に関すること,③水産関係の試験研究機関との研究分担の協議及び調整に関すること並びに共同研究に関すること,④構成都県機関及び中央水産研究所からの研究成果について,等であった。このうち,①については参加各都県から,日常的になりつつある組織の再編及び定員削減の現状,研究費のかなりの部分が競争的資金化され,それを獲得しなければ大幅な予算減となる等の試験研究費をめぐる厳しい情勢等の報告があり,各機関の厳しい現状を再確認した。②については,部会での検討状況が報告され,討議と若干の修正後了承されました。④については,提出された18課題の研究成果情報に各都県からの報告と中央水研の関連部長からの評価のポイントが示され,協議の結果,全てが了承されました。
 このうち,③の事項については,海洋環境部会から提案された「黒潮流路変動に伴う黒潮内側域の海洋環境変動,生物生産変動及び漁場形成機構の解明と早期漁況予測システムの開発」(仮題),海区水産業研究部会から提案された「沿岸浅海域の環境変動が定着性水産資源の生産性に及ぼす影響の評価に関する調査・研究手法の開発」(仮題)については各機関と中央水研でワーキンググループを作り,プロジェクトの課題化,あるいは事業化を目指して対応することで了承された。また,事業予算(補助金)の減少等から,調査の効率化あるいは事業費の拡大が求められている沿岸定線調査については,海洋環境部会,及び漁業資源部会で論議され,「沿岸定線調査等検討ワーキングループ」を作り一年間具体的な方策を検討することで合意された。これについては水産試験場長会が強い関心を持っている事項でもあり,都県の場長等から大きな期待が寄せられた。このことについては,既に,黒潮研究部・海洋生産部では各都県へのアンケートの発出等の具体的な対応を行っている。これらのワーキングループでは何れも平成14年度推進会議の各部会までに結論を出し,事業化等へ具体的に対応していきたいと考えている。ブロックの水試等のご協力をお願いする次第である。
 今回の場合,部会が何をするのか,推進会議が何をするのか等,何分とも初めての対応であり,中央水研としての事前説明が不十分で,突っ走ってしまったきらいがあることを反省しています。今回の一連の会議を経て,推進会議の意味づけ・進め方・具体的に何をするのか,何をすべきかを理解していただいたことと思う。中央水研としては,今回の成果と教訓をふまえつつ,推進会議を連携の重要な場として位置づけるとともにブロックの中核機関として,よりブロックの共通ニーズを大切にしながら推進会議を進めていきたいと考えている。今後ともご支援・ご協力をお願いしたい。
(企画連絡室長)

Hiroshi Nakano
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