中央水研ニュースNo.29(平成14年7月発行)掲載

【研究情報】
日本での生活
J. M. Keriko

 本稿を執筆する機会を頂いたことに感謝します。私は学生として4年間西日本に住んだことがありますが,横浜への訪問は初めてのことでした。ここは以前住んでいたところより開けていますが,共通の文化的,伝統的背景があるため,一般的な生活に違いはありません。そのため今回の訪問ではかなり短時間で落ち着くことが出来ました。私の住居は自転車で10分という水研の近くに位置した静かな環境の中で,ショッピングとレクレーションの施設に近接しています。私は自由な時間に自転車で周囲を探索する事が出来,そこは本当に1年を通じて非常に美しい地域だと感じました。特に,私が好きな二つの時期があります:一つは2月の終わりから5月の初めで,至る所で桜が咲き緑が芽生える非常に色彩に満ちた季節です。もう一つは8月の終わりから10月の終わりまでで,最後は紅葉に至る美しく彩られた植物で満ちたもう一つの季節を見ることができます。これらは,周辺を非常に色彩豊かにし,散歩をしたり写真を撮るのに最適です。
屋外の活動:
 今回の短い滞在の間に,JISTECによって催された2つの研修旅行に参加しました。最初は2002年1月に他の留学生と共に京都に行きました。京都では二条城,鹿苑寺,竜安寺など有名な歴史遺産を訪れました。2回目の旅行は,2002年3月に鎌倉を訪れました。鎌倉は初めてではなかったのですが,前回の私的な旅行で行けなかった新しい名所を見て回ることに努め,建長寺と大仏を訪れました。初めての場所を訪問し日本の伝統的な文化と遺産にきらめきを得たことを別としても,これらの旅行は私達に会合してそれぞれの研究所での経験を交換する機会を与えてくれました。このことは,それぞれの仕事場でこれからも一生懸命仕事を続けるための決意を新たにしてくれました。
私の過去,現在,そして未来の研究の関心:
 私は初めて海洋の天然物質の化学的性質の研究に従事しています。これまでは植物起源の天然物質の研究に従事していました。岡山大学時代(1992~1996年)とその後において,私はケニアが原産の種々の植物からの生物学的に活性のある化合物の抽出,単離,同定を行っていました。それらは伝統的な知識を通して医薬的な価値を持っていることが知られています。これらの植物の粗抽出物から活性のある成分を識別する際にはいろいろな生物試験(bioassays)を用い,多くの害虫昆虫を含むバクテリア,ウイルスのような目標生物に適用します。このような研究がケニアでの研究所から今日まで継続していました。
 現在の研究室での経験は,私の知識と視点を植物の天然物質の化学から海洋の天然物質を含んだものへと拡大させました。私は日常の仕事を通じて,海洋生物中の未分類の知識についての大きな可能性への理解と評価の機会を得ています。特に,海の中で脂質がどのように太陽から一次生産者(植物プランクトンあるいは無機栄養生物)を通してコペポーダやオキアミのような小型甲殼類といった一次消費者へ,そして最終的には大きい魚や他の海洋生物に移転するかを調べるのは興味があります。この研究所での滞在で得られた専門的知識は私の将来の研究の興味の範囲を驚くほど広げてくれました。
 STAフェローシップを与えてくれたJISTEC(科学技術交流国際センター)と中央水産研究所に対し心からお礼申し上げます。利用化学部・機能特性研究室長斎藤洋昭博士の大変なお骨折りにより日本での生活に非常に速くかつ快適になじむことが出来ましたことを感謝しています。斎藤室長には研究室の全てのものを使わせて頂き,日々の仕事を組み立てて頂きました。この2年間,斎藤室長の不断の援助と激励がなければ,日本における生活は非常に難しかったであろうと思います。最後に,研究室の高島氏,田中さん,渡辺さん,田中氏の日頃の援助と協力に感謝の意を表します。
(訳:企画連絡室企画連絡科長 岸田 達)
(STAフェロー;平成12年11月~平成14年11月)
参考
英文(原文)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp
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