中央水研ニュースNo.29(平成14年7月発行)掲載
【研究情報】各部の平成13年度の活動と平成14年度の方針

[生物機能部]
魚介類の体のしくみや働きを調べる
和田克彦

 平成13年度の成果・総括:所掌事項としての生物機能部の役割は, 水産生物の機能に係る調査試験研究に関する業務を行うこととなっており, 13年度も先端的な手法で, 水産物の持続的利用に役立つ基礎的先導的研究を行う方針で業務を推進しました。年度計画課題で例えば以下のような成果が得られました。1)クロソイをモデルにDNAマイクロサテライト座を用い親子判別法を開発し,今後栽培漁業や資源管理に役立てて行きます。2)海産魚の卵のDNAによる種判別法を考案し, 資源管理のための初期生態機構研究への応用に繋げて行きます。 3)マガキ内臓神経節で発現するインスリン関連の遺伝子を同定するなどの世界的にも先端的成果を上げ,今後環境と貝類資源の管理に役立てるように発展させます。これらの成果は他機関との共同研究等で得られたシーズ的成果の例です。研究評価部会では更に最新の先端的手法を用いて効率的に研究を推進するよう指摘を受けた。また水産研究所間の分担で, 他の部や研究所の業務に共通的基盤研究を一層進め,それらの成果が生かされるように指摘されている。
 平成14年度の主な目標:平成13年度補正予算で先端的な機器が整備さました。これらの機器を十分に活用してデータを集中的に蓄積し中期計画を推進することが当面の目標です。基盤研究部であるため, 産業にすぐ役立つ事業経費はあまり期待できません。バイテクや分子生物学, 生化学等の先端的研究手法は高額の費用が必要で, いかに研究費を獲得するかは重要であり, 競争的資金に応募するため, 常に質の高い成果を上げていく必要があります。水産研究所間の役割分担や連携を考慮し, ニーズの把握や研究資源を効率的に運営して行うことのできる研究課題の探索や新規プロジェクトへの参画をめざします(例えば「育種プロ」, 「先端技術利用農水高度化」, 「有害物質イニシャチブ」, 「原子力」等(いづれも略称))。人材の育成や大学等センター外との協力や共同研究も大切です。13年度の成果・総括を踏まえ,今年度も一層先端的手法を取り入れて海区ばかりでなく全水研の共通基盤的研究を進めるとともに,その成果を生かす工夫を考えていきます。さらに分子生物・細胞生物・生物特性の3研究室の名が示す分野から, 産業を見据えた基盤的研究の推進をはかって行きます。
生物機能部長

Katsuhiko Wada
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