中央水研ニュースNo.28(平成14年3月発行)掲載

【研究調整】
平成13年度中央ブロック水産業関係試験研究推進会議部会報告
-海洋環境部会-
入江 隆彦

 12月13日15時~17時30分に中央水産研究所講堂において,構成メンバーである16機関34名の出席により開催した。独法化に伴い,当ブロックでは新たな枠組みで「海洋環境部会」を設置したため,今回が初めての会議となった。議題1.部会の開催主旨については,中央水産研究所では独法化を機に推進会議の下部組織体制の整備を行い,新たに「海洋環境部会」を設置することとし,当部会ではブロックに関する海洋環境分野の試験研究の進捗状況について,「水産研究・技術開発戦略」の視点からの整理を行うとともに,共同研究,研究・調査における役割分担等について協議を行うことを資料に基づき説明し了解を得た。議題2.運営要領については,運営要領(案)を提示し意見を求めるとともに,修正意見等があれば黒潮研究部に申し出ることとした。議題3.ブロック構成機関及び中央水産研究所の試験研究内容とその成果については,資料に基づき,①水産総合研究センターと県の共同研究について,②プロジェクト研究について,③委託事業について,④独法化後の中央水研の研究課題について説明し,独法化後の水研の研究方針等に関する理解の深化を図った。また,事前に提出された資料に基づ き,中央水研の担当部で水研と各県の13年度研究課題・内容及び14年度計画画を一覧表として整理した資料を提示した。調査研究・事業課題数が多く,各機関が説明を加える時間はなかった。議題4.「水産研究・技術開発戦略」に関して,ブロック試験研究機関が実施した試験研究の到達状況等の整理については,水研側で「水産研究・技術開発戦略」の重点課題の第Ⅰ期の達成目標に基づき,水研・水試の研究課題を仕分け,進捗状況を整理した資料を提示,説明した。各課題の仕分け等について修正意見があれば,黒潮研究部まで申し出ることとした。議題5.ブロックにおける重点的に取り組むべき課題及び調査,試験研究等に関して連携・調整に関する事項については,a.各都県における要請・ニーズ等に関し,各県からは,①アワビ減耗要因の解明(千葉),②国主導による海洋環境調査体制の再編・整備(東京),③藻場造成関連事業の継続実施(高知),④海況情報の迅速な提供,海況変動と資源変動の関係解明,アコヤガイの大量死対策等(愛媛),⑤赤潮発生のメカニズムの解明と被害防止対策等(鹿児島)等の要望があった。対応方針について協議し,①③は海区水産業部会で検討願う,②は推進会議 に上げる,④はワーキンググループを作り検討する,アコヤガイは養殖の専門分野別部会で検討願う,⑤は瀬戸内水研の専門分野別部会で検討願うことになった。b.中央ブロックとして重点的に取り組むべき課題に関して,各県からは,①調査船搭載の調査機器の研修会の開催の要請(宮崎),②黒潮流路の変動と資源変動の関係の解明(愛媛),③黒潮内側域の基礎生産量の把握(愛媛)等の要望があり,①は具体的要望を出してもらい検討する,②③はワーキンググループを作り検討することになった。議題6.ブロックにおける調査研究を進めるにあたって水産庁等に対する要望事項について,各県からは,①漁海況の補助事業費の増額(鹿児島),②有害赤潮,貝毒プランクトン研修会の開催(宮崎),③陸棚斜面水の動態の解明と基礎生産の定量化(愛媛),④中央ブロックの漁海況予報会議を東西二分割で運営してほしい(愛媛),⑤調査船運航費の予算枠を確保してほしい(愛知),⑥千葉沖の黒潮の動きに関する調査(千葉),⑦黒潮の変動などの海況の把握は国主導でやってほしい。中央水研がリーダーシップをとって主導してほしい(神奈川)等の要望があった。対応方針等について協議し,①③はワーキンググル ープを作り検討する,②は瀬戸内水研への要望として扱う,④は現状では困難であることを説明,⑤は場長会等にも出していただく,⑥⑦は中央水研として基本方針を検討することになった。議題7.「水産研究成果情報」課題については,当日までに提出された水産研究成果情報候補の3課題を紹介し,追加の候補課題の提出を要請するとともに,今後,各県等から出された候補課題をブラッシュアップし中央ブロック推進会議に提案することとした。議題8.その他では,①場長会から要望のあった東海ブロック水質担当者会議への対応について論議したが結論が得られず,1年間かけて検討することとした。②資料に基づき13年度に実施したブロック関係の諸会議について説明した。③14年度以降の中央ブロック資源・海洋研究会はブロック推進会議漁業資源部会・海洋環境部会傘下の研究会と位置付けて開催するするとの提案を行い,了解を得た。④資料に基づき13年度の会議日程について説明,14年度も13年度と同様の日程で開催したい旨提案し,特に異議はなかった。⑤次年度以降の本部会の進め方について意見があれば出してもらうこととした。

(黒潮研究部長)

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