中央水研ニュースNo.21(1998(H10).7発行)掲載

【研究調整】
平成9年度中央ブロック水産業関係試験研究推進会議の概要
小林 時正

 平成10年2月3・4日に中央水産研究所講堂に て中央ブロック公立試験研究機関(11機関、12 名)、水産庁(1名)、養殖研究所(1名)、水産工 学研究所(1名)及び中央水研(33名)が参加し 開催された。特に、今年度は平成10年10月に予 定されている水産庁研究所の組織改正に伴う当所の 組織と業務及びブロックの拡大に伴う本会議の運営 等について意見交換を行った。

1.挨拶
 三本菅所長は水産研究を巡る情勢、特に水産庁研 究所の組織再編をふまえて、都県と国との役割分担 及び連携の強化並びに情報交換システムの必要性に ついて述べた。また水産庁資源生産推進部長(代 読;本田研究指導課研究調整班長)から平成10年 度予算、行政改革、アコヤガイ大量へい死問題への 対応ついて説明があった。

2.報告事項
(1) 平成8年度推進会議のフォローアップ及び中 央ブロックの活動、中央水研が開催した主要な会 議、科学技術答申第24号等最近の科学技術政策を 巡る動き、及び一般公開について小川企画調整部長 より報告を行った。
(2) 都県、養殖研、水工研から平成9年度調査研 究・事業の進捗状況及び平成10年度調査研究・事 業計画の概要と中央水研への要請があった。中央水 研からは各研究部の部長及び水産研究官から平成9 年度研究経過の概要及び主要な成果並びに平成10 年度の研究計画について説明が行われた。
(3) 水産試験研究一世紀事業について、小川企調 部長より、平成11年秋期に計画されている水産試 験研究一世紀事業に関する記念行事の取り組みの体 制、進捗状況等について報告があり、併せて行事の 実施に際しての協カ要請が行われた。

3.協議事項
(1) 平成9年度研究成果情報について
都県から提出された13課題及び中央水研からの6課題に ついて、他水研の専門的立場からのコメント を踏まえて意見交換を行い、ブラッシュアップを 図った。なお、指摘された事項の修正を行った後、 全課題を提出することが承認された。また、分類基 準の「研究」と「普及」の仕分けについては、明確 に線引きできていない状況にあり、「研究」をする 必要があるなかで、漁業者からの二一ズに応えるの であればその成果は「研究」よりも「普及」に区分 されるのか等の疑問が出され、両者のカテゴリーを さらに詰めることとした。

(2)中央ブロックの連携強化策について
平成8年度の本推進会議で設置が承認された中 央・東海ブロック水産研究会を本格的に活動させて いくため、性格・位置付け及び運営方法にっいての 認識を深め、本研究会が当ブロックの連携にとって 重要であることを再確認し、企画調整部門の責任者 が集まって研究の戦術を練る場とした。
効率的に調査研究を推進するにあたりブロック内 の緊密な調査研究及び漁業・環境等に関する情報の 交換システムを構築する必要があり、次回の中央・ 東海ブロック水産研究会の場で、具体的方策を立て ることとした。

4.意見交換「水産庁研究所の組織改正について」
 中央水研所長より平成10年10月1目以降に予 定されている水産庁研究所の組織改正の概要と中央 水研の組織、「中央」ブロックの拡大並びに業務の 変更について説明が行われた後、次回からは拡大し たブロックの機関が参集して推進会議が開催される と予測されることから、今後のブロック内の協力・ 連携のあり方について意見交換を行い、以下のよう な意見及び問題点の指摘があった。
ブロックのカバーするエリアが鹿児島から茨城ま で拡大することによる黒潮域に共通する問題につい て論議・対応できるようになる。
新たに設置される「海区水産業研究部」が増養殖 関連問題に関する課題を担当することへの期待。
東京湾や三河湾等の内湾問題についての「瀬戸内 海区水研」との関わり方。
「1都3県さば会議」等の局地的問題の対処方。
当ブロック内の養殖研と強い関連がある担当者会 議の整理・統合等の取り扱い方。
これらの意見等を受け、関連する水産庁研究所及 び水産庁関係部局と十分に連絡を取り、調整をしな がら適宜対処することとした。

(企画調整部企画調整科長 現北海道区水産研究所資源管理部長)

Tokimasa Kobayashi
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