中央水研ニュースNo.20(平成10年4月発行)掲載

【情報の発信と交流】
平成9年度食品関係三場所研究連絡会報告
山澤 正勝

 平成9年11月17日、食品総合研究所で標記会議 が開催された。本会議は、食品総合研究所、畜産試 験場及び中央水産研究所が、食品に関する流通利用 等の試験研究推進に係わる有機的な連携を図るため に開催されている。本年度は食品総合研究所の主催 で行われ、中央水産研究所からは、利用化学、加工 流通両部長及び食品保全研究室長の3名が参加し た。まず、各研究所を巡る情勢について、各場所長 等が報告した。中央水産研究所からは、平成9年10 月1日付けの水産庁の組織改正に伴い、利用加工関 係では水産流通課水産加工室が新たに水産加工課と して発足したこと及びHACCPに係る水産物の対 米輸出への日本側の対応状況やアコヤ貝の大量へい 死などの最近の情勢について報告した。また、運営 要領の改正が提案され、今までオブサーバーで参加 していた国際農林水産業研究センターを正式メン バーとし、名称を四場所研究連絡会に変更するとと もに、参集範囲を食品関連部長及び企画連絡室長か ら、所長、企画連絡室長及び食品関係部長に変更し た。本年度の共通の話題として「食品の安全性・健 全性研究分野における最近の話題」が取り上げら れ、「乳酸菌による消化管環境の修飾機能」(畜産試 験場)、「カビがどのようにしてアフラトキシンをつ くるかを探る」(食品総合研究所)、「マイコトキシ ンとファイコトキシン研究の動向」(食品総合研究 所)が紹介され、意見交換を行った。中央水産研究 所からは矢野食品保全研究室長が、「水産分野にお ける食品の安全性確保について」として、水産物に 代表的な危害である細菌性食中毒菌としての腸炎ビ ブリオ、アニサキスに代表される寄生虫及び貝毒等 についての現状及び今後の取り組みについて報告し た。食品の安全性確保に関するプロジェクトはなか なか課題化しにくいので、今後各場所の関連分野が 連携していく必要性が確認された。
(利用化学部長)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp
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