アユの種苗放流が天然集団の再生産へ及ぼす影響

生活史:アユは秋、川で孵化し、冬の半年を海で、春から夏の半年を河川で暮らす。年間、18000tが漁獲。
種苗放流:遡上期の稚アユ(7cm)を河川の中・上竜に放流し、成長したところを漁獲する。着実な放流効果があるが、再生産は考慮されない(釣り堀型)。
多量の種苗放流が行われているにもかかわらず、天然(海産)アユ資源は減少している。
放流魚は(湖産アユ)は再生産に寄与していない。
(一般に湖産アユは天然(海産)アユより早期に産卵するため、この時期の海水温が高くて生育に適さず、海では生き残れないとされる。しかし、北の海域では生き残る可能性が残されている。)
さらに、天然集団の再生産・遺伝子組成への影響が懸念される。
天然集団親魚への影響(えさをめぐる競争の結果、成長が悪くなり、卵生産量が減る。)
交雑を介した天然集団(卵、仔魚、遡上魚)への影響
仮説1:湖産アユ(遺伝子:天然アユとの交雑魚を含む)が海域では全く生き残らない。
この場合、天然集団への遺伝的影響はない。
しかし、交雑により天然アユ仔魚を減らす(共倒れ)。
仮説2:湖産アユ(遺伝子:天然アユとの交雑魚を含む)が海域で多少は生き残る。
交雑により天然集団の遺伝誌組成を変化させる。
天然アユ全体の適応度の低下が懸念。
テーマ:放流魚と天然魚の交雑実態の把握・海での生残能力比較がポイント
競争によって天然魚の成長(卵生産)は抑制されるか(競争関係)?
放流魚は産卵にどの程度生まれるか(交雑率)?
その結果、交雑魚がどの程度生まれるか(交雑率)?
また、放流魚由来の仔魚が海域で生き残る限界環境条件(生き残り条件)を解明することにより天然集団の再生産への影響を評価する。

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