中央水研ニュースNo.18(平成9年11月発行)掲載 |
【情報の発信と交流】 タイ・シンガポール紀行
(東南アジアにおけるHACCPに関する研究協議に同行して) 濱口 安行
今回私は下記日程でタイ、シンガポールヘ良永知 義、矢野豊両氏に同行し旅行してきました。旅行目 的は「東南アジアにおけるHACCPに関する研究 協議」ということです。旅行前の事前レクチャーで 始めて、この「HACCP」という言葉を聞き、意 味を知りました。HACCP(日本語で「危害分析 重要管理点」と訳すそうです。)は米国の宇宙開発 計画の一環として考案された食品の品質管理方法 で、最近EC・北米各国で積極的に導入されている そうです。また、東南アジア諸国でも水産物、水産 加工品をEC諸国に輸出しているため急速に整備さ れているそうです。HACCPでは食品の安全性や 品質確認を製品検査だけでなく、原材料から製造工 程、製品の保管など全ての過程で管理点を設け、一 定基準に達しない製品を通さないようにすること で、食品全体の安全性を高めようとする方法だとい うことです。 そしていよいよタイ(バンコク)へと旅立つこと になりました。バンコクヘ降り立ち最初に感じたの は「やっぱり暑いな」でした。頭の中では30℃を 軽く越える南の国へ来たのだから暑いのはあたりま えだと思っていても直接肌で感じる暑さはやっぱり 違った。それも1週間前には秋田県の男鹿半島で0℃ という寒さを体感してきたばかりだったので特に 暑さを肌で感じた。ところで、タイ・シンガポール を回り感じたことは私が思っていた以上に食品の衛 生管理、製品の検査体制などが整備されているなと いうことでした。タイでは現場としてエビ養殖場と その加工工場を見学した。エビ養殖場では池の連続 使用に伴う病気発生を防ぐためローテーションで池 を休ませたり、土の入れ替えを行うなどきちっとし た池の管理が行われていた。また、定期的なサンプ ル検査による病気発生の予防も厳しくおこなわれて いた。次にエビ加工工場の見学を行った。見学した 加工場は日本へ輸出するための、エビフライをはじ めとしたエビの加工品を製造していた。加工場内で は外見を重視する日本人の基準に合うようなエビの 加工品をたくさんの若い女性が製品ごとに分けられ た部屋で作業を行っていた。そこでは人の入る際の 消毒にはじまり、搬入時から各行程のエビの移動の 際は氷で冷やされ、製品加工の行程でも定期的なサ ンプル検査といったことがマニュアル化され厳しい 製品検査が実施されていた。そして次のシンガポール では自由貿易の国だけあり、いろいろな国から食 料品を輸入していた。そのため、輸入の際の検査で は安全性のための検査が厳しく行われていた。 あと、今回の旅行で楽しみにしていたことは本場の タイ料理、シンガポールでは海鮮料理を食べること でした。タイ料理はあまり食べたことがなっかたの で特に楽しみにしていた。タイ料理の感想は「辛 さ」と「香り」であった。辛さは白、黒、緑など色、 形、大きさの違うコショウ、同じくさまざまなトウ ガラシなどいろいろなスパイスが入っいるためで あった。また、香りも名前を忘れてしまったが、い ろいろな香りのする野菜類を使っていた。雨期、乾 期のある南の暑い気候ではやっぱりこの辛さと香り がないとダメなのだろうと感じた。辛さと香りとも 最初はとてもダメかなと思った。特に私は香りの方 がダメであった。しかし、2、3日と過ぎるうちに だんだんと慣れた。慣れると最初は最初ダメと思っ た辛さ、香りの中に美味しさを感じた。特にスープ のトムヤンクンが気にいった。シンガポールでは2 回しか海鮮料理を食べることが出来なかった。しか し、味は美味しかった。簡単には比較は出来ないが 今までに長崎、神戸、横浜で食べた味とは少し違っ ているなと思った。今回この様な旅行に同行でき、貴 重な体験が出来たなと思う。できれば今後もこの様 な経験が出来ればなと思うが。最後にいろいろな人 にお世話になり、貴重な旅行が出来たことに感謝し ます。
出張日程 (総務部会計課)
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