中央水研ニュースNo.17(平成9年9月発行)掲載

【研究調整】
平成8年度中央ブロック水産業関係試験研究推進会議の概要
小林 時正

 平成8年度中央ブロック水産業関係試験研究推進 会議が平成8年2月4~5日に中央水産研究所講堂 にて水産庁(2名)、養殖研究所(1名)、水産工学 研究所(1名)、中央ブロック公立試験研究機関(10 機関、10名)及び中央水研(36名)が参加し て開催された。
1.挨拶
 原中央水研所長が主催者として挨拶し、この中で 中央水研の役割として海区水産研究所としての4つ の機能(研究、調整、情報発信、研修・指導)に加 え、4つの役割(全国対応専門研究、海区共通基盤 的研究、中央ブロック対応及び総合調整)があるこ とを説明し、さらに「水産研究の将来方向」とりわ け、組織再編において国と都道府県との役割の分担 及び一層の連携の強化が必要であり、両者間の情報 交換を一層密にしていく必要があることが強調され た。
 続いて水産庁研究部長(代読本田研究課研究調整 班長)より、最近の水産を巡る情勢の報告と平成9 年度予算の特徴について説明があった。
2.報告事項
(1)平成7年度推進会議のフォローアップ及び中 央ブロックの活動報告、ブロック内水試の長が開催 する会議及び中央水研所長が開催する会議、中央水 研が関係する会議、一般公開等について中村企画調 整部長より報告を行った。
(2)平成8年度調査研究結果及び平成9年度調査 研究計画について、中央ブロック内の試験研究の推 進について、都県より報告及び問題提起があり、下 記のように集約した。
1)中央水研が水産試験場等との連携の下にやらね ばならない課題として、広域回遊魚種の資源・生態 特性や人工衛星、利用加工、磯焼け、アセスメント の評価等の共同研究。
2)他海区水研や専門研究所に協力・連携を必要と する課題として、アワビ資源減少要因解明、魚病研 究、選択性漁具・漁法等
3)研修等、研究者の養成の具体的取り組みの実施
4)研究体制の整備(地域の活性化・業界の活性化、 研究の継承性の確保、県内研究機関との連携、企画 要素を含めた研究会の開催等)
5)中央ブロックにおける中央水研の中核的機能と して一層の発揮の期待
(3)最近の科学技術政策の動向について、中村企 画調整部長より、国連海洋法条約、科学技術基本 法・科学技術基本計画、農林水産研究基本目標を巡 る最近の情勢と中央水産研究所が取り組んだアコヤ ガイ大量へい死問題、ナホトカ号油流出事故等への 対応、6巡目水産研究所研究レビュー、研究基本計 画の改訂、広報・研修への取り組み等について報告 した。
3.協議事項
(1)平成8年度研究成果情報について
 各都県から合わせて14の研究情報の提出があ り、内容について検討するとともに、専門家の意見 をさらに採り入れてブラッシュアップを図ることに した。なお、平成9年度からは、この徹底を一層図 ることとした。
(2)中央ブロックにおける連携の強化について
 国立試験研究機関と公立試験研究機関との役割分 担については、国及び都県が閣議了解・県条例等、 義務として実行せねばならない事項、国が中心と なって実行せねばならない事項、国と都県が仕分け を必要とする事項があることを確認した。また、仕 分けの切り口としては、研究課題・組織、研究領域、 研究分野、研究手法、研究予算の性格(費目)、研 究の性格、研究の時間・空間スケール、研究内容・ 規模(戦略・戦術)、研究成果の普及範囲、産業研 究機関としての機能等があることで共通の認識を 持った。
(3)中央・東海ブロック水産研究会の発足を確認 し、都県側の窓日を東京都水試とした。
(4)水産研究等に関する日常的な情報交換体制の 必要性が認識され、中央水研が具体案を次回東海ブ ロック水産試験場長会に提示し、検討することとし た。
(企画調整部企画調整科長)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp
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