中央水研ニュースNo.16(平成9年4月発行)掲載 |
【情報の発信と交流】 第21回東海ブロック水質担当者会議
山田 久
水質担当者会議は、茨城県から和歌山県までの水産試 験場と中央水産研究所の水質や漁場環境保全研究の担当 者によって構成され、赤潮、貝毒、貧酸素水塊の形成や 有害物質による海洋汚染など漁場環境保全研究について 各機関の取り組み、研究成果や研究方向について討議す る会議である。 第21回担当者会議は、和歌山県水産試験場の主催によ り平成8年11月7日に開催され、赤潮、貝毒や貧酸素水 塊の発生予測、モニタリングおよび自動観測ブイの利用、 閉鎖性内湾の水質に対する海水交換の役割や各種有害物 質の水生生物に対する影響など種々の研究課題について 討議した。また、漁場環境保全研究において重要である 海域環境管理目標について水産用水基準(1995年改訂版) を素材にして基準のあり方や研究方向についても討議し、 基準の策定も念頭に置いたモニタリングの重要性を確認 した。 本会議の第1回会議は、危機的な公害問題の時期を経 過し、本格的な環境保全研究の必要性が指摘された1970 年代後半に開催された。今日、環境研究は公害問題から 環境保全へと変化している。第21回会議でも報告された ようにアナアオサを用いた水質浄化など生物機能を用い た環境修復技術開発など新しい方向の研究も芽生えてい る。環境保全研究の問題解決のためには複雑で多様な課 題を総合的に取り扱う必要があるが、このためには、関 係者の連携がさらに重要であり、水質担当者会議の重要 性もさらに増すものと思われる。 (環境保全部長)
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