平成7年度水産利用加工研究推進全国会議概要報告

篠原和毅

 平成7年度水産利用加工研究推進全国会議が平成7年5月17日及び 18日に当中央水産研究所において開催された。本会議には、都道府県試験 研究機関(101名)、大学(11名)、民間(22名)、農林水産省 (14名)及び水産庁関係者(6名)、並びに中央水産研究所25名の 計70機関、179名が参加した。

 本会議においては、中央水産研究所原所長及び水産庁研究部渋川部長 の挨拶後、本会議の運営細目について、1)構成者を各機関の代表者とする、 2)会議の運営は、中央水産研究所長の指示に基づき事務局が行い、幹事会 は会議の円滑な運営を図るために設置する、等の運営細目の変更を提案し、 了承された。

 続いて、中央水産研究所利用化学部長及び加工流通部長から中央水産 研究所における水産利用加工分野の試験研究の最近の動向について、水産 物利用加工試験研究成績・計画概要集を基に、中央水産研究所の利用加工 研究の概要説明を行った。また、平成7年度水産庁等利用加工関係事業及 ぴ情勢について、食品流通局企業振興課技術室、水産庁流通課水産加工室、 水産庁研究課水産ハイテクノロジー開発室及び水産庁研究課研究調整班よ り各室・課の事業の説明があった。食品総合研究所からは社会情勢、農水 省行政関連、行政監察対応などの食品試験研究をめぐる最近の動向につい て説明があり、水産庁海洋法対策室からは国連海洋法条約について締結状 況や発効、適用などの概要について報告があった。 現在、製造物貴任 (PL)法、日付け表示の制定、また、HACCP(危害分析重要管理点) の導入等を柱とする食品衛生法の改正などが行われ、食品の安全性につい て高い関心が集まっており、水産加工業においても国際化とともに安全性 の確保が最重要課題となってきている。このような背景から、本年度は重 要検討課題として「水産食品の安全性に関わる最近の動向について」を取 り上げ、製造物責任(PL)、日付表示と食品産業(食品産業センター: 牧俊夫氏)、水産食品におけるHACCPと必要な科学・技術情報(日本 缶詰協会研究所:森 光圀1氏)及び水産食晶の安全性に関わる最近の事 例(中央水産研究所:浅川明彦氏)の3課題について話題を提供していた だき討議した。製造物責任(PL)、日付表示と食品産業については、P L法の概略、PL法の適用範囲、PL法施行に伴う食品産業における消費 者被害防止・救済のあり方、及び日付け表示などについて詳細な説明が行 われた。水産食品におけるHACCPと必要な科学・技術情報については、 水産食品分野におけるHACCPに関して、そのシステムの原理から重要 管理点まで詳細な説明が行われた。また水産食品の安全性に関わる最近の 事例については、魚介毒、食品添加物、化学物質などによる食品の安全性 に関わる事例が紹介された。これらの話題提供を基に質疑及び討議を行い、 PL法、日付け表示、HACCP等の導入に伴い、水産食品の安全確保に 関する研究を推進することの必要性が認識された。

 品質部会、練り 製品部会、及び加工技術部会の各部会においては研究成果発表が行われ、 品質部会23課題、練り製品部会12課題、加工技術部会9課題の合計 44課題について発表及び討議がなされた。機関別では、都道府県試験 研究機関32課題、大学7課題、民間2課題、中央水産研究所3課題で あった。その中で、魚臭ニュウーラルネットワークによる鮮度度判定、ニ オイセンサーによる脂質酸化測定法、微生物の迅速簡易測定法など、今後 HACCPを普及させていく上で重要な新規技術やガス制御包装による水 産物の安全性に関する研究など、本推進会議の重要検討課題に関連する成 果が注目された。 (利用化学部長)