中央水研ニュースNo.12(1996(H8).1発行)掲載

「研究所一般公開」-マイワシって知ってる-
橋本 久之亮

 中央水産研究所が横浜に移転して、2回目の一般公開を 平成7年11月26日(日)と27日(月)に開催しました。 昨年の一般公開は、移転して間もなかったことから、時間的な 制約等もあり、とにかく研究所の存在をアピールし、広く知って 頂くことに力点がありました。幸いにして、地域における存在の 証しとでも言いましょうか。春先(平成7年3月頃)には、 平成7年度の公開に対する数件の問い合わせもありました。 今年の一般公開を考えたとき、昨年の反省を踏まえながら、 研究所内の空気としては何と言っても、公開の内容が問われる ことの必然性を感じていました。願わくは、研究内容に関する ものをより充実させたい、これが所内の大方の意向になって いました。
 このことから中央水産研究所では、昨年の公開終了後に「一般 公開規程」を設けました。その仕組みを簡単に説明します。
  1.  公開のテーマを立案し、それに沿った公開内容を企画実行する「研究部グループ」
  2.  一般的な公開内容等を企画実行する「企画調整部グループ」
 この2組のグループが中心となり、双方の密接な連携を軸に、 今までにも増して、全所的に公開を推進できる体制になりました。 今回の「研究部グループ」における担当は、生物生態部と生物機能部の 生物分野グループが担当し「マイワシの不思議」をテーマに掲げました。


 何時の公開でも広報活動は最も重要なことです。これは、「企画調整部 グループ」の役割の一つでもあり、昨年の広報活動を通して得た経験を 大いに発揮し、チラシ7,700枚。ポスター430枚。報道機関への PR等を中心に、精力的に行いました。幸い2日間とも好天に恵まれ、 来訪者の出足もよく、開場30分前には早くも受付に列が出来る程でした。 今回も幼稚園児から70代の広範囲な年齢層の方々、合計853名が来訪 されました。因みに、昨年の来訪者は3日問の公開で696名でした。 来訪者の構成で特に目立ったのは、40代と30代の家族連れで、来訪者 全体の約65パーセントを占めました。所内は、穏やかな晩秋の一時を 楽しむ笑顔で溢れていました。 主な公開内容
  1. 展示関係 
    1. テーマパネル(マイワシの不思議等)
    2. 顕微鏡による観察(魚卵・仔魚・ウロコ)
    3. ネット類(稚魚・ノルパック・ボンゴ)
    4. 遺伝子解析装置
    5. 血管収縮装置
    6. 鰯漁の歴史
    7. 一般展示(研究所の紹介等)
  2. 漁業調査船蒼鷹丸の公開:11月26日(日)
  3. 講演会:「イワシの変動にせまる」11月26日(日)13時~14時主任研究官 木下貴裕
  4. ミニ水族館:生きたマイワシと魚介藻類飼育施設の研究用の魚たち。
  5. 世界を結ぶインターネットの体験。
  6. ビデオ放映:海と魚に関する映像。
  7. 試食:イワシのつみれ汁。
    2日間を振り返り、多くの手応えがありました。
    ・・・親切な公開でありがとう。
    来年は家族を連れて来たい。
    毎年の公開を楽しみにしている。
    将来に必ず役に立つ一日であった。
    イワシについての知識をたくさん得ることができた。
    これからはイワシの料理を一層食卓に乗せたい。
    全てにわたり職員の親切な対応に感謝したい。
    また、各コーナーでは
    ・・・職員から熱心な判り易い説明があり、大変よかった。
    顕微鏡でイワシの年齢を観察できて感激。
    身近な魚、イワシの歴史的な事を知ることが出来てよかった。
    蒼鷹丸は美しく、清潔で乗組員の人も素敵だった。
    講演を聞いて参考になった、来年も興味深いテーマの講演を期待する。
    ヒラメの話しと、ジャンプ力には驚いた、アメフラシやバフンウニにもさわれて楽しかった。
    パソコンが楽しかった。
    何時もは、つみれを食べない子供が、おいしいおいしいと食べるのに、びっくりした大収穫でした。
等々、紙面に紹介しきれない数の賛辞とご指摘をも頂きました。
 これらを糧に、水産研究に係わる者として、さらに、次代を 担う若者たちの将来にも役立つ、意義ある一般公開にしたいと 考えます。
(企画調整部情報資料課長)

熱心な説明に聞き入る顔と顔

イワシの年齢見えたかな

蒼鷹丸の船内は明るく美しい

鰯漁の歴史(正面に見える万祝が鮮やか)

歓声があがるヒラメのお食事タイム

興味深い講演に来年も期待する声が

大好評のつみれ汁

子供たちの興味の的パソコン

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