中央水研ニュースNo.8(平成6年1月発行)掲載


新庁舎開所記念式典・祝賀会


 中央水産研究所は昭和63年7月に、移転対象機 関として閣議決定された。その後、現在地に新庁 舎を建設することになり、平成3年3月から工事 着工、平成5年6月に完成、同年8月1日には旧 勝どき庁舎からの移転が完了した。  新庁舎は、世界最大規模の産業研究施設を有し 21世紀に向け「開かれた研究所」をめざして業務 を開始している。
 この新庁舎・船舶関連施設の完成を機に、同年 11月24日、11時30分より12時30分まで金沢産業振 興センターにおいて関係官庁、水産団体、庁舎新 築に関係した方々、260余名が参加して、盛大な 開所記念式典が挙行された。
式次第
1.開会の辞 (嶋津企画調整部長)
2.所長開会挨拶・経過報告 (吉田所長)
3.農林水産大臣式辞 (鎮西水産庁長官代読)
4.建設省関東地方建設局長挨拶及び工事経過報告  (荒井局長)
5.来賓祝辞
 (山口神奈川県副知事)
 (高秀横浜市長)
 (佐野推進協議会会長)
6.感謝状贈呈 (建設省関東地方建設局長)
7.記念植樹報告及び祝電披露 (山澤企画調整科 長)
8.閉会の辞 (嶋津企画調整部長)
 式典終了後、同センターにおいて13時より祝賀 会が行われた。能勢協賛会副会長の開会の辞、藤 谷協賛会会長の主催者挨拶に続いて鎮西水産庁長 官の挨拶のあと、武政農林水産技術会議事務局長、 池尻推進協議会副会長、田中農業者年金基金理事 長から祝辞をいただいた。佐野推進協議会会長、 川合農林漁業信用基金副理事長、渋川水産庁研究 部長による鏡割りが行われ、菅野協賛会副会長の 音頭で祝杯が交わされ祝宴に入り、約1時間半の 懇親の後、小金澤協賛会副会長の閉会の辞で無事 祝賀会を終了した。

【所長開会挨拶・経過報告】
 本日ここに水産庁中央水産研究所横浜庁舎の開 所式記念式典を開催するに当り、職員一同を代表 して一言ご挨拶を申し上げます。
 鎮西水産庁長官を始めご来賓の皆様方におかれ ましては、お忙しい中をお運び頂きましてまこと にありがとうございます。このように多数の皆様 方のご臨席を賜り、盛大にこの式典を開催できま すことを私どもは喜び、かつ、感謝いたしており ます。
 中央水産研究所は平成元年6月に東海区水産研 究所より再編・発足いたしました。水産研究の基 礎から応用、開発に至る幅広い分野の研究を行う とともに、水産研究所間の研究推進に係る調整と 研究結果の総合化、体系化を担当する、水産庁で 最大の研究機関であります。前身の時代から今日 まで、水産物の漁獲から利用に至る一貫した研究 を通して、産業・行政に多々貢献してきたと自負 しております。
 中央区勝どきの旧庁舎は昭和6年に農林省水産 試験場の庁舎として建設されましたが、時が経つ につれて、最先端の研究機能を容れる施設として は問題が多くなって参りました。折しも、昭和63 年7月に中央水産研究所は農林水産省の移転候補 機関として選ばれましたところ、幸いにして神奈 川県、横浜市等からの熱心なお誘いを受けまして、 大変よい時期にこの土地に庁舎ならびに船舶関連 施設を建設することができました。平成3年3月 に庁舎の建設工事に着手いたし、本年6月には完 成引渡しを受け、8月2日付を持って移転が完了 したのでございます。
 新庁舎には、21世紀を見据えた研究展開を意図 した、今日の最新水準の機能と設備が備えられて おります。このような恵まれた研究環境において 研究を展開する好運に恵まれましたことを感謝し ております。同時に、我が国の水産業を巡る今日 の厳しい情勢の中で、かように多大の投資をして 頂きましたことの意義を十分に噛みしめまして産 業、行政、国民の皆さま方のご期待に添うべく「開 かれた研究所」として所員一同邁進して参る所存 でございます。
 最後に、関係官庁、団体を始めとする各機関の 、関係者の皆様方、そして諸先輩の皆様方から中央 水産研究所に寄せて頂きましたこれまでのご支援 お力添えに改めて厚くお礼申し上げるとともに、 どうか今後とも中央水産研究所に対して、より一 層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上 げます。以上をもちましてご挨拶とさせて頂きま す。ありがとうございました。

【農水大臣式辞】
 中央水産研究所の新庁舎開所式が挙行されるに 当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 中央水産研究所は、昭和63年に国の行政機関 等の移転の一環として、ここ横浜に移転すること が決定されました。
 その後、新庁舎の建設及び研究施設の整備が行 われ、この度、名実ともに我が国の水産研究を代 表する高度な研究施設として新庁舎が完成したも のであります。この間、新庁舎及び施設の整備に 当たり、御協力いただいた建設省、神奈川県、横 浜市を始め、関係各位の皆様方に対し、深く感謝 の意を表する次第であります。
 御承知のとおり、我が国水産業は、良質で多様 性に富んだ動物性タンパク質の安定的な供給を通 じて、健康的で豊かな日本型食生活の一翼を担う とともに、活力ある漁村地域社会の形成に大きな 役割を果たしてまいりました。
 ところで、我が国水産業は、消費者の健康志向、 水産物の栄養特性への評価の高まり等に支えら れ、消費が堅調に推移するなど明るい面も見られ ますが、一方で、公海漁業を含め、国際的な漁業 規制が強化されるとともに、我が国周辺水域の資 源状態の悪化が見られるなど依然として厳しい状 況の下にあります。
 農林水産省といたしましては、このような情勢 に対し、我が国水産業の健全な発展と、国民二一 ズに対応した水産物の安定供給を確保するため、 長期的な視点に立って、環境保全、資源保護に十 分配慮しつつ、資源管理型漁業や、つくり育てる 漁業の積極的な展開、水産業の経営基盤の強化、 水産物流通・加工対策の充実など各般の施策を総 合的に推進しているところであります。
 申し上げるまでもなく、水産分野における技術 開発は、生産性の高い水産業と、効率的、安定的 な漁業経営を確立する上で重大な役割を担ってお り、試験研究機関として、中央水産研究所に寄せ られる期待には極めて大きなものがあります。職 員各位におかれましては、この期待に応えるべく 努力され、時代に即した、新しい技術を切り開き、 豊かな成果を挙げられることを願ってやみません。
 また、関係各位におかれましては、今後とも、 当研究所に対し一層の御指導と御協力を賜ります ようお願い申し上げる次第であります。
 終わりに、御列席の皆様方の御健勝と中央水産 研究所の今後の発展を心から祈念いたしまして、 あいさつといたします。

 また、式典、祝賀会に先立ち午前10時40分より 新庁舎前にて記念植樹(表紙写真)が行われ、鎮西 水産庁長官、荒井建設省関東地方建設局長、武政 農林水産技術会議事務局長、山□神奈川県副知事、 佐野推進協議会会長、藤谷協賛会会長、吉田所長 によって「サトザクラ」が植樹された。同時に所 内全館の見学会が行われ30・60分コースに別れ多 くの方々の案内を所員が行った。


nrifs-info@ml.affrc.go.jp
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