中央水研ニュースNo.5(平成5年1月発行)掲載


中央水研の引越し作戦
嶋津 靖彦

 農林省水産試験場が越中島の農林水産講習所内 から現在地に移転したのは昭和7年1月6日のこ とであった。このときにはおよそ2.5㎞を陸路と 海路によって所員総掛りで荷物を運んだことだろ う。昭和24年の組織再編によって8海区水産研究 所体制が発足した際には、東海区水産研究所が旧 試験場の庁舎・施設を引継ぎ、これが平成元年に 現在の中央水研となった。それで、中央水研とし ては通算して60年以上も引越し知らずということ になる。
 中央水研の新庁舎建設と移転については本ニュー スでもご報告してきたところである。建設現場の 写真は連続して3号の表紙を飾ってきたので。ほ とんど完成した姿は次号のお楽しみとさせて頂い た。
 これまで建設計画の作成と建設の円滑な推進の ために所内に新水研建設委員会(所長が委員長) を設置し、時々の検討事項を協議してきたところ であるが、新庁舎・船舶関連施設および宿舎建設 が軌道に乗ってきた本年6月には、移転全体に係 わる業務の円滑な推進を目的として横浜移転対策 本部(総務部長が本部長)を新たに設置した。
 ここには概略以下のような課題を担当する7班 を設置し、64名の班員をすぐって活動を開始した。 勝どき庁舎の陸上職員は102名であるから、6割 を越える所員が参加していることになる。各班の 班長は部課長を充てている。
連絡調整班:総合的連絡調整と各班業務の広報
引越し班:引越しに関連する作業計画の立案と連絡調整
福利厚生班:職員の移転対策と新宿舎周辺の福利厚生環境の調査
セレモニー班:閉所式・開所式等の企画立案
ソフト班:「開かれた研究所」の具体化と展示室の準備
ハード班:施設・機器の整備、新庁舎の維持・管理、現庁舎の後始末
情報流通班:構内LAN、水産資料館の受け入れと図書部門の運営に関すること
 各班の今日までの"乗り具合い"には個性があっ て、立ち上がりの速い班やじっくり型の班がある。 ソフト班ではすでに新庁舎の展示室におくインフォ メーションシステム(コンピュータを用いた案内 表示装置)のソフト作りに着手している。また、 連絡調整班では各班の業務の広報と独自の情報収 集による広報紙の発行を準備中である。
 中央水研の設置場所は省令によって決められて いるので、横浜への移転は省令の改正を必要とす る。この改正日をもって直ちに機関としての中央 水研は横浜新庁舎へ移ることになる。物品の移動 はそれに先んじて早めに済ませておくこと、職員 とその家族の移動は改正日以降になること、会計 上の取引銀行を遅滞なく切り替えること等々の事 項を一つずつ準備し、解決して行かねばならない。 庁舎・宿舎の建設状況を見定めつつ、省令の改正, 日を早急に決定したい。
 閣議決定による機関移転の第1号として、中央 水産研究所は61年間住み慣れた地から新天地へ 移る。幸いなことに横浜の新天地はかつてないほ どの設備・施設に恵まれている。この恵みを活か しつつ、どのように研究の展開を図り、懸けられ た期待に応えて行くのか。移転の準備で忙しい 時期だからこそ、本質的なことをじっくりと考え たい。
(企画調整部長)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp
back中央水研ニュース No.5目次へ
top中央水研ホームページへ