中央水研ニュースNo.4(平成4年3月発行)掲載


移転工事もいよいよ本格化
猪瀬侃紀

 中央水産研究所の移転は、平成5年度移転を目 途に準備を進めている。平成2年度から平成4年 度までの3年間に特定国有財産特別会計(特々会 計)で予算措置をすることにしており、総予算額 は、320億円を超える規模となっている。
 新庁舎は、横浜市金沢区福浦にある横浜市の金 沢工業団地内のバイオパークに24,000㎡の土地を 確保、平成3年3月末に着工、平成5年3月完成 を目指して工事は順調に進められている。施設は 地上6階、地下1階建ての研究棟を中心に4階建 ての管理棟を前面に、裏側にはコの字型に実験棟 が建てられる。
 現在、全体の基礎工事が終わって、地上部分の 鉄骨組立工事の段階に差し掛かっている。新庁舎 が完成すると延床面積は約25,000㎡となり、近隣 地域では、横浜市大病院を除いて一二を競う規模 となる。
 新庁舎建設に当たっては、より良い研究環境の 中で地域とも密接した「開かれた研究所」を目指 している。
 管理棟には一般の方々にも親しみ易い印象を持っ てもらえる様アクアプラザ(吹抜け空問)を設け、 標本展示室、総務部門、国際会議室、講堂のほか 現在の水産庁水産資料館の貴重な図書・資料を加 え充実した図書室及び閲覧室を整備することにし ている。
 研究棟は、延床面積12,400㎡のスペースに研究 室と実験室を完全に分離して配置し、実験棟には RI及びハイテク実験室のための特設施設のほか 大型冷蔵庫、飼育実験室等が整備される。
 船舶関連施設は、新庁舎から約3㎞ほど離れた 位置ではあるが、金沢区幸浦に陸上施設のための 用地3,000㎡を確保して、平成5年3月完成を目 指して着工することとなった。桟橋は、水産庁の 大型調査船開洋丸も接岸できる様に長さ120mと して現在工事が進められている。
 なお、当研究所所属の調査船蒼鷹丸は、平成4年 度から6年度の予算で代船建造することが決定 されており、現在の494トンから890トンに大型化 されるとともに最新の調査、研究機器等が整備さ れる予定である。
 宿舎建設は最大の懸案事項であったが、新庁舎ま でほぼ1時問で通勤可能な横浜市中区小港町に世 帯宿舎60戸の建設が決定した。
 上田庁舎についても、勝どき庁舎にある内水面 利用部の一部を長野県上田市にある庁舎へ全部移 すための研究実験棟の建設工事が進められており、 付帯施設を除いて研究実験棟は、平成4年3月に 完成する。同施設は2階建て延床面積1,175㎡の 実験室及び飼育実験室等が完備される。
 中央水産研究所の移転は平成5年7月頃までに は完了するよう進めているが、建設業者を中心と したハードな部分がやっとクリアできた段階であ り、これからは、施設建設及び移転準備のための 細部に亘ったチェックが必要となる。
 また、予算措置の面でも、移転経費、移転後の 施設の運営経費、現在の施設の後処理経費等の確 保が最大の課題である。そのほかに移転までに解 決しなければならない諸問題が山ほどあり、検討 課題は尽きないが、関係機関並びに関係各位の御 指導と御支援を得て、無事移転を実現したいと考 えているところである。
(総務部長)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp
back中央水研ニュース No.4目次へ
top中央水研ホームページへ