中央水研ニュースNo.2(平成2年3月発行)掲載 | ||||||||||||
新所長挨拶 新水産研究所の建設に向って
菅野 尚
平成2年3月16日付け発令で、若々しい雰囲気 に包まれた中央水産研究所に着任。昭和56年10月 から3年!0ヵ月の間、企画連絡室時代にお世話に なったなつかしい面々、水産庁研究部、農林水産 技術会議事務局、北海道区水産研究所、養殖研究 所それに研究生活の原点になった東北区水産研究 所で間接的にせよ、直接的にせよ研究活動を共に した方々に、着任早々から再会する機会が多く、 新任地に異動したという気はしない。 東京市京橋区月鳥通9丁目8番地を出生の地と する私にとって、この月島は何となく気分が落着 く故郷である。80才を超えて床につくことが多く なった老母は、昭和7年頃の記憶は鮮明で、埋立 てた5号地には土管がたくさん並んでいたと月島 時代の思いで話をしてくれる。しかし、開発の進 む最近の月鳥の様子など、幾ら説明してもそれを 理解することは不可能である。 平成元年5月に、東海区水産研究所から中央水 産研究所に改組した当研究所は、平成2年度から 3年問で横浜市に新しい中央水産研究所の施設を 建設することになる。昭和63年9月に新しい研究 所の組織・機構を基に、試験研究等が円滑に実施 可能な高度な研究施設等を建設する為に設置した 内部検討組織「新水研施設検討会」は、当水研の 自主的な施設構想を取り纏め、水産庁から平成2 年度の特定国有財産整備特別会計として予算を要 求案を作成、国会に予算要求が提出されている段 階となった。 予算要求に当って、新しい庁舎の具備すべき基 本条件を次の様に整理している。即ち
先達の言う、知識は50年の歴史を知っているこ と、見識はこの知識にもとづいて、これからの10 年を見通すことだ、という言葉に揮れる。月島60 年の歴史をもとに、新しい中央水産研究所の21世 紀の活躍を見通す見識を持って、新水研の建設に 向かって本格的に動き出したいと思っている。平 成2年度中に、水産庁関係部課、水産庁研究所、 科学技術庁、農林水産技術会議をはじめ、横浜市、 神奈川県はもとより、大学、産業界の識者、月島 の水産研究所の歴史に深く関係をもっている先輩) 諸兄姉などから、ご意見とご指導をいただきなが ら、開かれた中央水産研究所としての土台を固め、 21世紀に向けた水産研究推進のエネルギーを凝縮 して、立派な研究所を建設することが、我々にか せられた任務である。 養殖研究所南勢庁舎の開設に際して、当時の漁 連会長宮原九一氏から、「一滴如大海」という期 待をこめた書を、所長室にいただいた。新しい中 央水産研究所に、どんな言葉がよせられるかは、 この3年間の建設のプロセスにかかっている、と 思っている。 (所長)
nrifs-info@ml.affrc.go.jp |