■ 国際会議報告 中央水研だよりNo.1(2006. 平成18年2月発行)掲載
中国との研究交流について 豊川 雅哉 Research cooperations with China Masaya Toyokawa


中国との研究交流について
写真1.加茂水族館のクラゲ研究所で実験中の董研究員(遼寧省海洋水産科学研究院)
写真2.第2回大型クラゲに関する国際ワークショップ(2005.12.15 上海)
写真3.上海の水産市場の中のクラゲ市場通り(奥までずっとクラゲを売っています。)
写真4.セミナーで講演する上海水産大学の劉洪生副教授(2005.12.20 中央水産研究所)
中国との研究交流について
 大型クラゲの対策研究の一環で、中国との研究交流を盛んに行っていますので、紹介します。
 まず、昨年11月には遼寧省海洋水産科学研究院の董
(Dong Jing)研究員が1ヶ月間来日されました。遼寧省海洋水産科学研究院は食用クラゲの研究では中国で最も進んでおり、最近は漁業被害を与える大型クラゲ類(ユウレイクラゲ、エチゼンクラゲ)の研究も行っています。来日の目的は、ユウレイクラゲの餌の研究です。鶴岡市立加茂水族館に滞在して、クラゲに様々な種類の餌を与えて、成長を測定しました。成長に適した餌をつきとめ、直径20cmにまで成長したユウレイクラゲが加茂水族館で展示されています。
 12月には上海市で、第2回大型クラゲに関する国際ワークショップが開かれました。会議の内容は農水省のプレスリリースや新聞報道で既に伝えられている通りです。日中韓の研究者がそれぞれに大型クラゲについての研究について発表し、今後とも情報交換を継続することを確認しました。個人的に最大の収穫は、クラゲ研究の大家、洪博士にお会いできたことでした。洪博士は中国のクラゲ図鑑や、食用クラゲについての知見を集大成した論文などを執筆されました。洪博士から中国沿岸の大型クラゲ類の生態について詳しく伺うことは、前々からの念願でした。しかし数年前に引退されたと聞き、お会いする事は難しいと思っていましたが、今回、お元気な姿を拝見できすることができました。
 会議の翌週には、上海水産大学から劉洪生副教授と曲憲成副教授が来日されました。12月20日に両博士を講師に迎えて中央水産研究所で大型クラゲ国際共同研究セミナーを開催し、多数の参加者がありました。
 こうした交流でできたおつきあいを今後とも大切にし、大型クラゲの対策研究に役立てて行きたいと思います。
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