黒潮大蛇行に関連する漁海況の特異現象
(和歌山県、対象期間:2004.8~2005.4)
(1)漁況
2004年夏~秋季、紀伊水道外域のまき網では、黒潮離岸によってアジ・サバの漁場形成・回遊条件が悪く不漁であった。
紀伊水道のパッチ網では、2004年5月下旬に春漁が早く切れ、その後、夏~秋季は例年になく不漁が続いた。
2004年、熊野灘の定置網(冬敷)は、オキザワラ(カマスサワラ)、キハダマグロ、トビウオ等の外洋性の魚種の入網が多い。但し、量的には少ない。
2004年夏~秋季、紀伊水道の一本釣では、マサバ・マルアジの漁獲が少ない。魚体は小型(マサバ20cm台、マルアジ21cm程度)で、1、2才魚が主体である。通常は3才魚が主体である。
紀伊水道外域の一本釣では、イサキ、タチウオの漁獲が少ない。
2004年夏~秋季、潮岬沿岸の一本釣によるハタ類の漁獲が多い。黒潮離岸に伴い沿岸域の流れが弱くなったことから漁場が形成された。
2004年夏季・2005年春季、串本周辺の定置網ではトビウオの入網は極めて少ない。
2004年冬季、串本周辺ではサンマは全くの不漁であった。
1月14日、逢井の定置網にクロマグロ24本(尾叉長約90cm、体重20~30kg)の入網あり。
1月下旬~3月上旬、曳縄によるビンナガ漁は極めて不漁。漁獲主体は大型魚(尾叉長90~100cm)で、小型魚は僅少。
カツオ曳縄漁期前半(1下旬~3月上旬)に大型個体(尾叉長50cm以上)が目立った。3月15日頃から小型魚(40~48cm)主体になった。
椿定置網にクロマグロの入網あり。1月31日に25kg前後4本、2月17日に43kg2本、2月23日23kg1本
2005年1~3月、逢井の定置網にマアジ・マイワシの入網が例年になく少ない。
2005年2~3月、紀伊水道外域のまき網漁場で「二重シオ」が形成され、網成り悪く操業に支障をきたしている。
2004年12月以降、紀伊水道のパッチ網・定置網にスルメイカの稚イカ(外套長1~5cm)が多い。
2005年3月の紀伊水道のプランクトン組成では、例年はノクチルカがみられるが、今年は少なく、かわってウミタル亜目が非常に多い。また、アカクラゲは紀伊水道から外域にかけて多くみられるが、今年は少ない。
南部~田辺沿岸域にアユの稚魚が多く、南部漁港内で20年ぶりに特別採捕があった(2005年2月前半)。3月、棒受網でイワシ類に混じって全長10cm弱の稚アユが数個体みられた。成長はかなり良い。
2005年1月下旬~2月、カツオ・ビンナガの漁期初めに曳縄漁場は、潮岬沖32°00'N~32°20'Nに形成され、遠方となった。
2005年3月以降、船びきのシラス漁は、紀伊水道外域(南部~田辺)が大漁であるが、紀伊水道内は非常に少ない。
(2)海況
潮岬灯台下の沿岸では、黒潮離岸に伴い2004年8月以降、速い下り潮(東向流)の発生は目視されない。
(3)報告機関
和歌山県農林水産総合技術センター 水産試験場
〒649-3503 和歌山県東牟婁郡串本町串本1551
TEL 0735-62-0940
FAX 0735-62-3515

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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