黒潮大蛇行に関連する漁海況の特異現象
(東京都、対象期間:2004.8~2005.4)
13年ぶり,黒潮の大蛇行と伊豆諸島海域の漁況変動
 昨年8月、13年ぶりに黒潮の大蛇行が発生しました。その直後から、八丈島などでキンメダイの漁獲量が減少し、逆にアオダイの水揚げが増えるなど顕著な変化がみられました。この大蛇行が本年のカツオやハマトビウオ漁などにどのような影響を与えるか注目されています。過去の大蛇行の事例によると、カツオ、ハマトビウオともに伊豆諸島の広い範囲に漁場が形成されており、安定した漁が期待できそうです。
実施機関東京都水産試験場資源管理部事業名資源と環境のモニタリング調査

 昨年8月、13年ぶりに伊豆諸島西方海域に黒潮の大蛇行が発生しました。黒潮の大蛇行は伊豆諸島の漁業に大きな影響を及ぼすことが知られていますが、その具体的影響については十分には把握されていません。そこで、黒潮の蛇行が伊豆諸島の水産重要種であるカツオ、トビウオ類、キンメダイ等の漁業にどのような影響を与えるのか、この機会に調査するとともに、過去の大蛇行期における漁況の特性についても解析しました。
昨年、8月に発生した大蛇行はA型流路とも呼ばれ、5パタ-ンに分類されている黒潮流路のうち、蛇行の規模が大きく長期間持続するタイプです(図1)。
今回の黒潮の大蛇行が発生した8月以降、八丈島などの底釣り漁ではキンメダイの漁獲量が急激に減少し、代わってアオダイの漁獲が増えました(図2)。
過去の大蛇行の事例では、カツオは漁場が伊豆諸島北部海域を含む広い範囲に形成され、漁獲量も安定しています(図3)。
ハマトビウオについては、大蛇行年に当っていた1987年と1990年は、資源量低迷期に当っており漁模様は低調でした。しかし近年、資源は回復傾向にあり、1970代の大蛇行期の動向から、漁場が伊豆諸島北部海域を含む広範囲に形成され、漁獲も堅調に推移すると思われます(図3)。
 漁場形成のしくみを把握することにより、漁場の探査効率が向上し、省エネ、省コスト型の操業を可能にします。また、来遊量予測の精度向上により、生産物流通販売の計画的推進への貢献が期待されます。
(米沢純爾)

nrifs-info@ml.affrc.go.jp

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