黒潮大蛇行に関連する漁海況の特異現象
(三重県、対象期間:2004.8~2005.4)
(1)漁況
浮魚類の漁況が全般に低調。2004年8月~2005年3月の熊野灘主要2港(錦・紀伊長島港)における中型まき網による浮魚5種(マイワシ,カタクチイワシ,ウルメイワシ,サバ類,マアジ)総漁獲量は2,053トンで,前年同期(4,111トン)の約50%,平年値(1975-2003年平均,5,578トン)の約37%と低調に推移している。
とりわけカタクチイワシの不漁は顕著。2004年8月~2005年3月の熊野灘主要4港(贄浦・奈屋浦・錦・紀伊長島)における中型まき網による総漁獲量は759トンで,前年同期(9,885トン)の約8%にとどまった。ここ数年,1~3月期に体長12~14cmの成魚大型群が来遊し,高水準の漁獲があったが,今期はゴマサバに時折混獲される程度で低調に推移した。
その中で,ゴマサバのみ比較的好調。2004年級群を主体に好漁が続いている。2004年8月~2005年3月の熊野灘主要4港(贄浦・奈屋浦・錦・紀伊長島)における中型まき網による総漁獲量は9,692トンで,前年同期(8,052トン)をやや上回った。ゴマサバについては,海況(黒潮大蛇行)以上に,2004年級群の資源豊度(かなり高い)の影響が強いと考えられる。
カツオは熊野灘沿岸でほとんど漁場形成が見られていない。潮岬沖の黒潮北縁域および伊豆列島周辺海域に漁場が集中。三重県船も県外に水揚げする船が多く,県内への水揚げ量はかなり少ない。
流れ藻へのサンマ卵の付着が例年になく多い(3月初旬~4月下旬の漁業調査船「あさま」による流れ藻調査時)。
(2)海況
蛇行移行期~蛇行初期に高水温、高潮位などの影響が顕著に現れた(以下の項目)が、年明け頃から黒潮内側反流の弱い状態が続き、徐々に影響は弱まっている。
7月上旬~中旬、黒潮本流が熊野灘を北上する流路となり、熊野灘沿岸に黒潮系水が強く流入した。7~8日の熊野灘沿岸定線観測では、平年を2~5℃前後も上回る極端な高水温が観測され、50~200mでは1966年から観測している北中部の多くの測点で7月の極値を更新した。
7月に黒潮が大蛇行型に移行し、熊野灘沿岸では高水温・高潮位の状態が続いた。熊野灘沿岸の潮位は通常より30~50cm程度高い異常潮位の状態が7月下旬~11月上旬まで持続した。
8月10~11日、熊野灘沿岸定線観測における高水温。50~200mでは観測史上8月としは最高水温を更新した測点が多く、7月に引き続き記録的な高水温であった。黒潮本流は熊野灘から大きく離れ、黒潮内側反流が強く流入していたため、7月とは反対に南向きの流れであった。
(3)報告機関
三重県科学技術振興センター 水産研究部
〒517-0404 三重県志摩市浜島町浜島3564-3
TEL 0599-53-0016
FAX 0599-53-2225

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