このわたは江戸時代からからすみ、うにと並ぶ天下の三大珍味の1つとして知られており、 現在でも酒の肴やご飯のおかずとして根強い需要があります。 以前は腸管に対し10~15%の塩濃度が一般的でしたが、近年、消費者の健康志向の高まりと 冷凍・冷蔵技術の発達から、従来に比べ添加する食塩量を大幅に減らした製品が主流となっています。 | このわた製品 |
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ナマコの腸管に塩を加えて塩蔵すると、浸透圧により腸管が脱水されます。 この脱水具合がこのわたの品質を左右する重要なポイントです。この塩漬け後、 数日間熟成させますが、この熟成中にナマコの腸に含まれる自己消化酵素が腸のタンパク質を分解します。 その結果、うま味成分であるアミノ酸が生成され、このわた独特の風味がでてきます。 加工業者によって熟成期間は異なりますが、この熟成期間の違いがアミノ酸や有機酸の量に影響すると考えられます。 |
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このわた一般成分 | |||||
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(%) | |||||
水分 | 粗タンパク質 | 粗脂肪 | 炭水化物 | 灰分 | 塩分 |
81.7 | 9.6 | 1.4 | 2.4 | 4.9 | 3.6 |
石川県水産総合センター調べ |