- ○加工の原理
- 調理したカツオを煮熟した後、焙乾します。
本枯節の場合、さらに日乾、カビ付けを繰り返します。
- ○実際の製造
- 原料魚のカツオの年間使用量は枕崎市、
山川町の合計で約12万トン、その大半が地元に水揚げされる輸入、
あるいは海外まき網漁業漁獲原料となっています。
- 原料魚が小型の場合、亀節(3枚おろしの各身のこと)に、
4kg以上の大型の場合、さらに背肉と腹肉に切り離し、
4本の本節にします。亀節では皮の付いた面を、
本枯節では身割りした面を下にして煮篭に並べます。
- つづいて煮熟の工程です。
煮熟水の温度が75~80℃になった時に煮篭を入れ、
97、98℃になってから、亀節で45~60分、
本節で60~90分間煮熟します。
その後、骨抜きした節を身おろしした面を下にしてせいろに並べ、
焙乾室で薪を燃やして焙乾します。
この時、節が均一に乾燥するように、上下の節を順次入れ替えます。
これを1番火といい、この時の節をなまり節といいます。
- 煮熟、あるいは骨抜きの際に形状を損ねた部分は、
調理時に得たなかおち等の生肉とこれを煮熟したものを混合、
擂り潰したもの(そくい)をすり込んで整形、修繕します。
その後再び1番火の場合と同様に焙乾します。これを2番火といい、
一夜放冷後、さらに焙乾を繰り返します。4~5番火からは1日おきに、
7~8番火からは2日おきに焙乾します。普通、亀節で8~10番火、
本節で10~12番火まで焙乾します。焙乾の終わった節を荒節、
または鬼節と呼びます。
- 荒節はせいろ、またはむしろの上に並べて半日か1日、天日乾燥します。
その後、タール質で覆われた節の表面の表皮の付いた部分を残して薄く削り取り、
カビ付け工程でカビが付きやすくします。
削り終わった節を裸節、あるいは赤むきといいます。
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●製造工程図 |
原料 | カツオ |
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解凍 | 水中、一夜 |
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頭切り | 頭部、腹肉の一部および内臓を切り取り除去する |
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三枚おろし | |
↓ | |
篭立て | 亀節では皮のついた面を、本節では見割りした面を下にして煮篭に並べる。 |
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煮熟 |
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骨抜き | 煮釜から煮篭を取り出し、放冷後、肉中の骨を抜き取る。 |
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焙乾 | |
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なまり節 | |
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修繕 | |
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焙乾 | |
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荒節 | |
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日乾 | |
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削り | |
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裸節 | |
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カビ付け | |
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本枯節 | |
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