水産加工品のいろいろ
「ひじき加工品」

○ひじき加工品とは

 ひじき加工品は、古くより愛用され、特に野菜の乏しい夏場の惣菜として重宝され、また、日持ちも良いことから大切な保存食とされていました。
 ヒジキは、褐藻類でホンダワラの仲間で、北海道日高以南から日本の各地で見られます。だいたい1m位まで成長して、根を残して刈り取られます。収穫時期は、漁場での繁茂状況によって違います。それぞれの地域で決まりがありますが、“口開け”と呼ばれる漁の解禁日に、漁師さんが総出で収穫に当たります。


○生産と消費の動向

 全国生産量は、平成8年の11,000tを最高に、8,000t前後でやや減少傾向にあります。長崎県、千葉県、三重県での生産が多くなっています。
 素干し品として集荷されたヒジキは、加工場に運ばれ、煮干しヒジキなどの製品に加工されます。原料として、付着物などの汚れがなく、太めで長く、こしのしっかりしたものが良いとされています。
 長崎県の一部で生産される特上の長ヒジキは、収穫した生の原藻を、そのまますぐに煮熟加工をします。ヒジキ製品の国内での流通量は、2001年で約7,800t程度あり、韓国産が5,700t、国産が1,000t、他に中国産などが流通しています。(乾製品ですので、原料8,000tが製品1,000t程度になります。)


○加工の原理

 煮干しひじきは、原則として、素干しを蒸し煮など加熱後乾燥したもので、加熱と乾燥により、渋みがとれ、適度の食感と保存性が加わります。

○製造の実際



  1. 原藻採取・素干し
     採取後、それぞれの地域で素干しにされ、30kg程度ずつ袋に詰められて出荷されます。生からの歩留りは概ね20~30%です。
  2. 洗浄・蒸煮
     加工場では、素干し品を洗浄したのち、だいたい1.5~6時間ほど蒸し煮を行い、 蒸らします。蒸し煮の時間が足りないと製品が固くなり、逆に長過ぎると粘りが出て乾 燥しにくく、風味も乏しいものになります。
     高級品とされる長ひじきは、素干しの長目の原料を選別使用する場合もあります。生の原藻を良く洗浄後、茎から葉や気泡を手でしごき落として束ね、鉄釜でだいたい4時間ほど煮熟した後、天日で乾燥させると、櫛(くし)ですいたような真っ直ぐな煮ヒジキができます。
  3. 乾燥
     天日乾燥では、乾燥まで2~3日を要します。規模の大きいところでは、機械を利用して2~3時間の短時間で乾燥させています。
  4. 選別・検査
     乾燥したものは、小規模加工の手作業のほか、工場等では形状選別機やロータリーシフターなどで、茎の部分と芽(芽ヒジキ)に分けます。さらに、風力、静電気を利用した吸引、色彩選別機、目視などで異物を取り除き、金属検出も行われます。茎と芽ヒジキの比率は、芽ヒジキが茎の1.5~4倍程度で、合計部留りは概ね50%です。

○製品の形態・包装等

 業務用にはビニール袋8~10kg入りを箱詰め、小売り向けには各種サイズのポリプロピレン小袋などに詰めます。

○品質管理のポイント

 品質としては、黒色の色調が強く、水戻ししたときにしっかりした歯触りで風味の良いものが上品とされます。乾製品ですので、吸湿に注意しています。たまに見られる白い粉は、塩分が吹き出したものです。

○成分の特徴

 ヒジキはアルカリ性食品で、食物繊維、カルシウムや鉄分などミネラル成分が多く含まれます。俗に、「よく血を収める」といわれ、妊婦や血行不良の人たちにも食べられ、健康食品として根強い需要があります。


○食べ方

 食べ方として、煮干し品を一度水にひたし、水切り後、油揚げ、コンニャク、椎茸などと油で炒めながら、調味した料理が代表的です。水にひたし、水切りしたものをそのまま、酢の物、汁物、煮物などにも使われます。水戻しは戻しすぎないことが肝要です。煮ひじきに、味付け後乾燥して、そのまま食べられる製品もあります。


野中 健(元長崎県総合水産試験場)

全国水産加工品総覧 編集委員会編
監修 福田裕、山澤正勝、岡崎惠美子 A5判、638頁、¥7,500(本体)+税 発行所(株)光琳
 この本は水産総合研究センターが主催する水産利用関係試験研究推進会議において、刊行することが合意され、都道府県の試験研究機関関係者など約150名もの専門家により執筆されたものです。
 さらに詳しく知りたいなど、ご興味がある方は、この本を是非ご覧になって下さい。

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