入場料無料
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![]() 開催チラシ(PDF:3.9MB) |
日本人の食卓になじみが深いイワシ・サバ類などの多獲性浮魚類では、多く漁獲される種類が数十年周期で変化する魚種交替現象が知られ、水産業の不安定化の一因となっています。また、世界各地でクラゲ類の大発生が頻発し、漁業被害や発電所の取水口を塞ぐなどの社会問題を起こしています。魚種交替やクラゲ類の大発生は、自然の気候変動や人為的な環境改変などの環境変動に伴って起こる生態系変動のひとつと考えられます。水産資源を持続的に利用するためには、これらの発生を予測し、適切な対策をとる必要があります。魚種交替について、これまで気象や海洋物理環境変化との関係が指摘されてきましたが、発生機構は不明のままです。クラゲ類はイワシ類等の動物プランクトン食性魚類と同様に動物プランクトンを餌とするため、クラゲ類が頻繁に大発生すると魚類資源が減少しますが、その生態には不明な点が多く、発生の予測や制御には至っていません。
このため、農林水産省では、平成19年度より、気候変動に伴う魚種交替の予測と魚種交替現象の有効利用を目的とするSUPRFISHと、人為的な環境改変等が原因となっているクラゲ類大発生の予測と制御を目的とするSTOPJELLYの2課題からなる研究プロジェクト「環境変動に伴う海洋生物大発生の予測・制御技術の開発」を開始しました。
本プロジェクトでは、気候変動に応答して変化する日本周辺の生態系の変動予測技術やマイワシの成長と回遊をコンピューターで再現するモデル、クラゲ類の繁殖特性、集群機構の解明やクラゲ類に対する化学的・微生物学的制御技術の開発など、多くの成果が得られています。プロジェクト研究の成果をわかりやすく紹介し、謎が多い海洋生物大発生の不思議に触れていただくため、シンポジウムを開催することにしました。当日は、調査機器や実物大のエチゼンクラゲのパネル展示、ミズクラゲやエチゼンクラゲの赤ちゃん(ポリプ)を実際に顕微鏡で観察するコーナーもあります。お楽しみに!