魚介類に関する知識を正しく理解して、水産物を安全においしく味わいましょう。


  1.  古くから、日本人は周りの海や湖などから魚や貝などを獲り、食物として利用してきました。また、たくさんの魚や貝などから、美味しいもの、旬といわれるおいしい季節があること、食べられもの食べられないものなど、先人の経験と知恵によって明らかにしてきました。 また、魚や貝など水産物は腐りやすいため、焼く、煮る、蒸すなどのいろいろな加工を施すことにより、ある程度の期間、美味しく、しかも安全に食べるための工夫を行ってきました。このような長い歴史の中を経て、豊かな魚食文化を築き上げてきました。
  2.  最近、低温流通技術の発達や加工技術の発達によって、外国から多くの種類の水産物が輸入され、肉や卵などの消費の増加、食品添加物の利用など、一昔前とは食生活も大きく変化し、その結果、心臓病などの成人病が増加してきています。このような中で、米と魚の生活は成人病の予防にに効果があることが明らかになってきました。
  3.  昨今の食品の偽装表示、輸入野菜等の農薬汚染、BSE(いわゆる狂牛病)など、食品の安全性が社会問題として取り上げられてきています。農林水産省も「食」と「農」の再生プランを企画し、消費者第一のフードシステムの実現に向けて、「水産現場か食卓へ」顔の見える関係の構築(トレーサビリティシステムの導入)、食品表示法の改正など、食の安全と安心の確保をめざしています。
  4.  私達は、このような中で、「魚や貝などの美味しさ」「魚食と健康との関係」「水産物の安全性」等に関する取り組みの一端をご紹介したいと思います。時間を許す限り見学頂ければ幸いです。
独立行政法人 水産総合研究センター
中央水産研究所長 中村保昭

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