日本の水族館は明治15年の上野動物園内「観魚室(うをのぞき)」に始まり、明治時代だけで15以上の水族館が作られました。そうした中には、博覧会の会場に作られた水族館もありました。
1903(明治36)年に大阪で第5回内国勧業博覧会が開催され、その会場内に「堺水族館」が設置されました。その案内書が『第五回内国勧業博覧会堺水族館図解』で、博覧会会期中に作られました。日本で2番目の水族館案内・解説書といわれています。魚類やクラゲやアザラシなど、さまざまな展示生物の正確な図版が掲載されています。なお、堺水族館は博覧会の会期終了後、堺市に払い下げられ、堺市立水族館として親しまれました。