桐島像一著,交通道徳會,1925(大正14)年,4, 6, 460p.,19cm

 60歳を過ぎた著者が、30年来の趣味である品川湾での投網について書いた本です。
 はしがきによると、財界人であった桐島像一が投網を始めたきっかけは、某男爵に随行して品川湾の網打ちに出かけその面白味に病みつきになった出来事にあり、それ以来休日はたいてい品川湾に出かけるようになったとあります。本書の中にも愛漁家として伯爵や男爵や法学者らが寄稿していたり、網を打っている写真を載せたりしています。当時は漁業としての投網とは別に、趣味としての投網も流行していたようです。
 本書には、投網の打ち方、品川湾の潮や風、本職の話、愛漁家の感想、浅海利用法、網の値段と網屋、東京湾の生物、船宿と船賃など幅広い視点で、著者の文章のほか寄稿も多数掲載しています。

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