附言によると、水産業の将来を考えるとき過去の書物や出来事を考証することは重要であるとの考えから、農商務省農務局が水産に関係する全ての書籍を調査し、農務局の所蔵の有無に関わらず考証のために準備しておくべきと思われる書籍を選出し、和書部、漢書部、訳書部の3部に分けて一枚の紙に列挙したものが「水産考証書目」であるとあります。水産業の発展に志のある者に見せるために作成した書目で、第1回水産博覧会(明治16年)に農商務省農務局から扁額(横額)にして出品されたともあります。たいへん参考になる書目だったことから、さらに多くの人に見てもらえるよう、農商務省農務局と水産博覧会事務局の許可を得て印刷、刊行されました。
なお、附言には、欧米原書は膨大な数があるため今回は省略したこと、書目の中で解題のない書籍は農務局に所蔵がなく会期が迫っていたため探しあてることもできず解題を省略したことなどが書かれています。