豊秋亭里遊著 大谷穐次郎写 1840(天保11)年 36丁 25cm

 『小川嶋鯨鯢(おがわじまげいげい)合戦(がっせん)』(豊秋亭里遊(ほうしゅうていりゆう)著 1840(天保11)年)を昭和12年に大谷穐次郎が草写し、中根七郎に奉呈した写本です。原著の『小川嶋鯨鯢合戦』は肥前国唐津藩呼子浦の古式捕鯨を合戦に見立てて、文と絵で勇壮に描いたものでした。
 中根七郎は昭和初期に活躍した和歌山県古座の郷土史家でした。当館には澁澤敬三氏より譲り受けた文庫の中に「中根七郎コレクション」があります。主に古座の捕鯨について調査したときの写本や史料です。福岡の大谷穐次郎とは本や資料の貸し借りをするなど交流があったことを示す書簡が残っています。
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